本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

行動経済学の本

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朝日新聞(2017.12.10)の読書欄の特集は行動経済学の本です。

行動経済学の研究者・大阪大学教授の大竹文雄さんはこう言います。

「わかっているのにやめられないという人間の行動を経済学にきちんと取り入れることに成功したのが行動経済学です」

行動経済学で大正とする人間は、従来研究のモデルとなっていた人格のない人間ではありません。欲望を持つ現実的な人間像なのです。

その人間像とは「損得勘定を持っていて、損することを極端に嫌う」「将来のことより目先の利益に敏感」「不平等が大嫌いのくせに、隣の芝生が気になる」存在です。

行動経済学をうまく使うと私たちの生活はもっと豊かになります。ものごとを選択するための文章やデザインを変えただけで、望ましい方向を選ぶことができるからです。

ところが、その半面悪用されると大変です。不合理な存在を経済の面から探求する。経済学は無味乾燥な数字の学問から、血の通った学問へと変貌を遂げつつあるようです。

行動経済学の逆襲

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?

ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか?

シンプルな政府

週間ベスト10 2017.12.12

ランキングです。

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東京堂書店神田神保町店2017/12/12調べの週間ベストセラーです。

 

 

 

1「おすすめ文庫王国2018」

2「このミステリーがすごい!2018」

3「ローカリズム宣言」

4「意識のリボン」

5「漫画君たちはどう生きるか

 

6「屍人荘の殺人」

7「藝人春秋 2下」

8「蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか」紀田順一郎 著(松籟社

9「記憶の海辺 一つの同時代史」

10「H・P・ラヴクラフト 世界と人生に抗って」

#あんちゃ【新刊】アソビくるう人生をきみに。

2018年はこの人が来る。

すでにブログの有名人として知られているあんちゃが14日(木)書店に初登場します。

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「アソビくるう人生をきみに。 好きなことを仕事にして、遊ぶように生きる人生戦略」あんちゃ 著(KADOKAWA

知らない人はまずブログをご覧ください。

まじまじぱーてぃー | アソビくるう人生をきみに。

あんちゃとは

ブログ開設1年で月間70万アクセスを超えた、今20~30代の人たちに圧倒的な共感を得て読まれているブログ「まじまじぱーてぃー」の著者です。

あんちゃ(二上 杏奈 ふたかみ あんな)さんは1991年北海道生まれ。大学卒業後に上京し、電子書籍出版社のIT企業に2年間勤務。会社員の頃に個人ブログを立ち上げ、その3ヶ月後に会社を退職しブロガーとして独立しました。

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プロブロガー・メディアディレクター。 月間50万人に読まれる当ブログ《まじまじぱーてぃー》運営&恋愛メディア《らぶりりーす》編集長。26歳。25歳のときに会社を辞めてブログで独立しました。趣味は人生哲学と下ネタです。性欲はあんまりありません。 

経歴紹介の記事を読むと、同世代の人が共感するであろう過酷な環境を、したたかに生き延びてきた*1バイタリティーを感じます。

ブログの世界観は、イケダハヤトイさんやちきりんさん、はあちゅうさんなどが切り開いたライフハックが柱となっています。すなわち、起業、人生観、マネタイズ、他者との関係作りなどです。しかし、彼女のブログにはプラスアルファがあります。(下ネタを含めれば+2)

あんちゃの世界

キラキラとした情報発信力が魅力で(下ネタもありますが)、読んでいると「自分もなにか出来るのではないか」と勇気づけられます。

ざっくりとした人物像はネット上でまとめられています。

【あんちゃ】はブスなのか?可愛いのか?を真剣に検証してみた。 | ブログ批評 | ブログ部

炎上を武器に売り上げを伸ばすような部分がないところが人気の秘密かも知れません。

なにより、共感の秘密は

好きなことを仕事にして、遊ぶように生きよう。

というポジティブな姿勢につきるように思います。

自分から探しに行って発見する能動的な世界がネットだとすれば、書店はそこに行って発見を楽しむという受動的な側面があります。ということは、書店で平積みされた著者をはじめて見る人も多いはずで、ネット社会以外の人たちの目にとまることが期待できます。

 

 

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先輩ブロガーのブログがビットマネーなどの資産運用に流れ始め、ややオッサンくさくなり始めている中、20代の著者の視線は若々しく、2018年にどう化けていくか楽しみです。

テレビにも出てくれるといいな。

*1:月収100万円超という説もある。

殺し屋のマーケティング

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「殺し屋のマーケティング」三浦崇典 著(ポプラ社

本作品は、ある理由から伝説のマーケティング・マネージャーに弟子入りし、 「受注数世界一の殺しの会社」を創ることを目指す女子大生の物語であり、 物語を読み終える頃には、 「本当に実戦で使えるマーケティング」を習得できるビジネス書。

東京・池袋にある書店「天狼院書店」のオーナーが著した本です。

ビルの二階にある店の構えはきわめて質素。

初めての人は店の入り口を通過してしまうくらい、隠れ家的雰囲気満載の小さな店です。 

 

tanazashi.hatenablog.com

主力商品はあえて中身が分からないように覆面をかぶせて売るところに、好き者を引きつける工夫があります。

その店主自らが体験をベースに本を著したというのですから関係筋は興味津々です。

 

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剣呑な書名と糸数恵那さんのPOPが一際目を引くビジネス書を展開いたしました!

『殺し屋のマーケティング』三浦崇典/ポプラ社

営業・広告・PRなんてもってのほか、 世界一売りづらい“殺し”をどう売るのか…

マーケティング理論だって極上のエンタメミステリーになる本の素晴らしさ!( ・`ω・´)

文苑堂書店 新湊店‏ 

元書店員が著した本とあってか、全国の書店員の関心も高いことが伺うます。 

 

天狼院といえば「謎本」がトレードマークなのですから、

本書もお客さんにまずその内容が分からないように

「覆面」をかぶせて売り出しても良かったのでないかと思います。

 

天狼院の面白さは、書店員の個性が前面に出ているところ。

ネット販売の時代、小売店が生き残る打開策の一つとして揚げられるのが「体験」とするならば、

個性的な店主と直に話をしながら本を選べる経験に大きな価値が生まれるように思います。 

tanazashi.hatenablog.com

 

ゆでおき

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皆さん「野菜」とってますか。

料理番組の収録で来局される講師の先生方は、 たいてい管理栄養士の肩書きを持った料理のプロばかりです。

先生方の話によるとレタスやトマトなどの野菜サラダもいいけれど 緑黄色野菜もしっかり摂るように言われます。

献立作りのポイントは「一汁三菜」。

食物繊維と各種ビタミンは野菜にありというのが鉄則。

三種類の野菜をしっかりとらないといけないのだそうです。

だがしかし、 忙しい現代人にとって、スーパーに並ぶ野菜は"かさ"が張ります。

買ってきた食材が余ったりすると処理に困ることになります。

それならば・・・という提案がこのたび発売された本。 新刊のテーマが「ゆでおき」です。f:id:tanazashi:20171211132905j:plain

 

「ゆでおき」牧野直子*1 著(主婦の友社

キーワードはゆでる

うどんやそうめんなどの麺類をゆでておいておくことは良くあります。 本書のテーマは野菜などをゆでて保存し、時に応じて使い分けるというものです。 野菜以外に肉や卵もゆでおきが可能です。 著者は料理研究家の牧野直子さん。これまでも 総菜など身体に優しい、簡単で美味しいレシピの提案を続けてきたベテラン講師です。 これまで紹介したレシピの中に、ゆでた食材を利用した献立が多いことから、 「ゆでる」をキーワードに献立を再発見した本です。

ゆでおきのメリットは・・・

  • 1.下ごしらえが済んだ状態で保存しておくことで、その後の調理が圧倒的にラク。
  • 2.食材を無理なく使い切ることもできるので、フードロスを減らせる。
  • 3.味付けのカスタマイズが気軽にできる。

ゆでおくと、毎日の料理がもっとカシコク、もっとラクになると聞けば 本を手にして試したくなります。

著書

*1:「より健康になるための食生活や栄養の情報提供」、「家族みんなが楽しめる、身体に優しい、簡単で美味しいレシピの提案」をモットーに、テレビなどのメディア出演、著書の執筆、料理教室や食品メーカーの商品開発など、幅広く活躍中。

【ランキング】このマンガがすごい2018 オトコ編・オンナ編はこれだ!

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「このマンガがすごい2018」が発売されました。オトコ編・オンナ編のランキングがそれぞれ50位まで掲載されています。上位5位はこれだ。

オトコ編

1「約束のネバーランド出水ぽすか 著(集英社) 

外の世界から断絶された孤児院で暮らす少年少女の脱獄ファンタジー。

 

2「BEASTARS板垣巴留 著(秋田書店

足歩行の肉食動物と草食動物が共生する世界を舞台とした“動物版ヒューマンドラマ”。演劇部に所属する気弱なハイイロオオカミ・レゴシを軸に、種族を超えた恋や友情、学園で起きた食殺事件などを描いていく。

3「不滅のあなたへ大今良時 著(講談社

4「月曜日の友達」阿部共実 著(小学館

5「衛府の七忍」山口貴由 著(秋田書店

 

オンナ編

1「マロニエ王国の七人の騎士」岩本ナオ 著(小学館

2「ポーの一族 ~春の夢~」萩尾望都 著(小学館

3「サトコとナダ」ユペチカ 著(講談社

4「たそがれたかこ」入江喜和 著(講談社

5「タイムスリップオタガール」佐々木陽子 著(ほるぷ出版

このマンガがすごい2018・オトコ編はどれだ

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2018年のベストコミックを選ぶ「このマンガがすごい2018」が発売されます。

ランクインした作品は注目を浴びるので書店としては要チェック。

もしかしたら、客より書店員の方が先に手を出す本かもしれません。

 

 

 

ランキング・オトコ編の行方。

1月から11月までのランキング一位を得点順に並べました。

 

それでも町は廻っている

Dr.STONE

 

ヨルとネル

 

月曜日の友達

 

1日外出録ハンチョウ

 

不滅のあなたへ

狭い世界のアイデンティティ

レイリ

バイオレンスアクション

人形の国

ゲレクシス

人間仮免中つづき