本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

ビジネス書は当たらない

一般書店では人気があっても放送局の書店では伸び悩むジャンルに「経済・ビジネス書」があります。近くにビジネス書を扱う大型書店があるということもあって、経営・ビジネス書は40冊程度の僅かな扱いです。経済の動きそのものにはニュースバリューがあります。放送局員は商売人の経験がほとんどありませんので、ニュースは追えても経営は追えないからです。

 しかし例外もあります。今年ベストセラーとなったピケティの本です。ブームが起きる前からかなりの注文があったのです。世の中の動きを先読みする放送局員が「価格も内容も手頃とはいえず、経済学部の学生が読むような本」を抱えて帰る姿を見たとき「売れないから」といって本屋は準備を怠るわけに行かないものだとつくづく思いました。さて、経済関係の動きを知るには、日本経済新聞が毎週掲載するランキングが参考になります。今回の目玉は「会計士は見た!」前川修満著(文藝春秋)。入荷した1冊はすぐ売れてしまったそうです。

 

ベストセラー(経済・ビジネス書)2015.11.19~25

  1. 「自習自得す」北尾吉孝著(経済界)
  2. 日本の論点2016-17」大前研一著(プレジデント社
  3. マイナス金利」後藤礼子著(東洋経済新報社
  4. 「China 2049」マイケル・ビルズベリー著(日経BP社)
  5. 「一億稼ぐ 営業の強化書」市村洋文著(プレジデント社
  6. 「超一流の雑談力」安田正著(文響社)
  7. 「会計士は見た!」前川修満著(文藝春秋
  8. 「富裕層に学ぶ外貨投資術」尾河眞樹著(日本経済新聞出版社
  9. 「2016年日本経済 複合機器襲来の年になる」高橋乗宣、浜矩子著(東洋経済新報社
  10. 「99%の社長が知らない銀行とお金の話」小山昇著(あさひ出版)
  11. (東京・丸善日本橋店)

 

「会計士は見た!」前川修満著(文藝春秋

ソニーから東芝まで、事件な企業の決算書を、会計士が読み込む!数字の羅列から、記者会見からは決して見えてこない企業の「裏の顔」が明らかに。粉飾、内紛、リストラ、資金繰りの悪化――。会計士には、隠し事はできない。

不振が続くソニーは、2014年度も1259億円の赤字に終わった。しかし、内訳を見てみると、その業績からは考えられないほど多額の法人税を納めていることがわかる。ソニーは本当に儲かっていないのか?

・・・お金の流れや仕組みをよく知った専門家が一般向けにわかりやすく解説した本のようです。これは読みたい。