本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

面白さを追いかける 放送局のマニアな本たち

ほかの書店ではあまり見ない本が、この書店では一つの塊となって自己主張しています。それは「放送関連本」のコーナーです。

 

番組の特集企画や、出演者名鑑、ディレクターやアナウンサーなど作る側の人々が出版した本。CGや演出など制作技法に関わる指南本。一般の書店ではあまり目にしないマイナー感満載の本はこの書店のシンボルです。放送を仕事にする人たちが主なお客ということもあって、平台には放送マニアがニヤリとするような本もあります。

  • 「NTV火曜9時アクションドラマの世界」山本 俊輔、佐藤 洋笑著(Dubooks)
  • パック・イン・ミュージック 昭和が生んだラジオ深夜放送革命」伊藤友治著(Dubooks)
  • 水曜日のアニメが待ち遠しい:フランス人から見た日本サブカルチャーの魅力を解き明かす 」トリスタン・ブルネ 著(誠文堂新光社

この本屋により並ぶ「DUBOOKS」とは、コアな音楽ファンに人気の「ディスクユニオン」の出版部門です。タイトルを見てわかるように、一筋縄ではいかない企画で勝負する出版社なので本屋としては受けて立たたざるを得ないようです。

 

今月の放送関連書籍の中で話題を呼んだ本をご紹介します。読者は放送現場というより事務系部門で働く人、特に管理職層に売れた本です。

NHKでいま、何が起きているのか。その時、歴史は動いたのか。失われた法治を取り戻すには、どうすればよいのか。反知性主義が横行する時代を探る」

人々が判断するために必要な事実を早く正確にお届けするというのが、放送に携わる人たちの信条であり使命感なのですが、その土台が揺らいでしまっては士気にかかわります。放送をする側が放送されてしまっては笑い話にもなりません。発売予定日が直前になって、配本が日延べされたこともあり、レジには発売を確認する問い合わせが殺到して、書店員は大慌てだったそうです。