鑑賞やコレクションとして読まれる「美術書」ではありません。
放送局の書店には実用書に近い使われ方をする美術書を集めた棚があります。
資料用の写真集や、古今東西のデザインを網羅したデータ付き書籍、作画の基礎ともいえる画集などが詰まっています。
アートの棚には独特の雰囲気が漂っています。
たとえばこの本。医学書のようなティストの美術書です。
放送局にはドラマなどのセットや解説につかうグラフィックを制作する職種の人たちが働いています。とくに人物のイラストや動画を作画する場合、人間の動きを理解していないと描いた人物が不自然に見えます。いわゆる絵師の皆さんは人間の姿をその骨格や筋肉の動きを踏まえて作がするのだそうです。そのために必要なのが人体を表現するアーティスト必携の定版書です。
解剖学書のような画集を見るとダビンチが描いた作品を連想します。
理解、分解、再構築というのは何事にも当てはまるものづくりの基本です。
さて、もうひとつ・・・
お客さんの心をつかむのもビジュアルの役割です。
こちらは若い女性に人気の本。
- 「女性の心をつかむデザイン」パイインターナショナル
子ネコがいっぱい戯れています。
全体を見ると猫がスイーツに見立てられています。
女性をターゲットとして制作された遊び感覚満載のデザイン書です。
奇抜な発想のようですが、人は驚いたとき対象に対する認知度が上がります。
アート本のコーナーで思わぬ発見に出会えるかもしれません。