本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

みんな大好き ネコさま愛

売れ行きが伸び悩む雑誌の中で久々のヒットです。

それがこの本。

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「女性自身」の人気企画をまとめたムック「ねこ自身」。

 

“ねこ好き”の編集スタッフが中心となって編集した企画です。

累計8万2千部のヒットを記録しています。

放送局の本屋の片隅にも動物写真集のコーナーが元気です。

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改めて書店員に聞くと、ネコ関連本はこのところ出版ラッシュになっていて、犬本のスペースを奪い取ってしまったほどだとのことでした。

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  • 「人生はニャンとかなる! ―明日に幸福をまねく68の方法」水野敬也著(文響社)

売り上げが約90万部にのぼるヒットを記録しているヒット作らしいです。

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  • 「世界の美しい猫」ダーリーン・アーデン&ニック・メイズ 著(グラフィック社)

ペルシャ、ブリティッシュ・ショートヘアーなど、人気品種から珍しい品種まで、麗しいポートレートとともに特徴や分布など生息データを紹介する貴重な写真資料集。世界のチャンピオン猫40品種が登場。愛らしい姿に魅了されます。

人気?は美形にとどまらず、平等に愛情を注ぐのもネコ愛好家の性です。

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  • 「ぶさにゃん」沖昌之 著(新潮社)猫写真ブログ・ランキング第2位、インスタグラム・フォロワー2万超の人気画像から選りすぐった名場面です。

世界中の愛猫家から支持される、イギリス産キャットフード『カナガン』

タイトルを見てすぐにそれとわかるのもネコ本の特徴ですね。

  • 「ラク〜に生きるヒントが見つかる 般ニャ心経」加藤朝胤 著(星雲社
  • 「ニャンか、しあわせ ―今日をごきげんに過ごす〈禅の言葉〉」リベラル社 編集(星雲社
  • 「だいじょうぶ。 ニャンとか生きていけるよ」伊藤淳子 著(PHP研究所
  • 「にゃんことわざ」小森正孝 著(一迅社
  • 「ニャングリッシュ 猫のつぶやき英会話」Neill R Bell-Shaw 著講談社
  • 「猫ブッダは悩まニャイ ~しあわせに生きる84の方法~」宮下真 著(ワニブックス

 anan no1991

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 著者も出版社も様々ですが、共通しているのはタイトルに「ネコ」にちなんだキャッチを入れること、表紙などにネコをデザインすることなど、ネコを全面に押し出しています。

ブームの背景を探ると、ネット上に飼い猫の動画をあげる人が増えたことも一因のようです。ネコ関連動画で動画再生回数は260億回という数字もあるようです。*1

かわいいだけでなく、変顔・ブス顔が人気で、ふてぶてしい顔つきから「ふてニャン」の愛称をもっている春馬出演の「Y!mobile」のCMも記憶に残ります。

古書の街・神田神保町では書籍の7割をネコ本に増やした店もあります。 

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 この店。店長がネコなんだとか・・・・

twitter.com

 

ネコブームによる経済波及効果は約2兆3162億円*2で”ネコノミクス”なる言葉も誕生しているからおどろきです。

 

*1:朝日新聞が「吾輩は猫である」の連載をはじめる理由も、ネコブームがあるのかもしれません。

*2:去年1年間の訪日外国人が日本で使ったお金が約3兆5000億円だがそれに迫るぐらいの金額だという。