本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

港ヨコハマ見学ツアー

休暇をとってみなとみらいで一泊しています。

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桜木町駅前、コレットマーレ5階にある紀伊國屋書店の店先が楽しい。

力のこもった展示に書店員の意気込みを感じました。

紀伊國屋書店は入り口から「へ」の字形に左右に広がるフロアを持つ大型書店です。上手側には雑誌、下手側は一般書籍が対照的に羽根を広げ。下手のさらに右にはコミックスとCDフロアがあります。

扇の付け根あたりの部分が注目の催事コーナーです。一メートル四方の大きさの平台が小島のように浮かんでいて、それぞれ独立した特集コーナーを形作っています。

興味を引いたのは特集コーナーの演出です。

「編集者の選んだ特集」「新聞書評の特集」(宣材は該当する新聞が切り抜かれて前に並べられています)「本屋大賞特集」「本と雑貨特集」「ミシマ社コーナー」などとりどりで、眺めているうちに隣の島が気になってくるのです。

本の並べ方も立体的です。ピラミッドのように何種類もの本が積み上げられ、その隙間に店員や著者の手書きと思われる告知や色紙がちりばめられ、さながら”香港島”のような空間ができあがっています。

書店は線や面(平積みや表紙を向けて棚に並べる)の印象が強い空間なのですが、紀伊國屋の場合は催事コーナーの効果があるため立体的です。色とりどりのかき氷を眺めて楽しむような遊び心が伝わってきました。

空間を贅沢に消費することになるため、多くの本を並べられない弱みがあるものの、主役の書籍が華やかに見えることや、ゆったりと買い物をできるような安心感を感じることができました。

本の中身は同じですが並べ方や見せ方によって客が受ける満足感が違うのはグルメと似たところがあります。工夫を怠ってはいけませんね。