書店で見かける「重版出来」。さてこの読み方を知っている人は?
「重版」(じゅうはん)は、初版と同じ版を使って印刷します。たとえるなら「コピー本」です。同じ判型や装幀であることから、奥付の部分の「○刷」を見て「重版」であることが確認できます。
では「出来」はなんて発音するのでしょうか?
「でき」と読む人がかなりいるようで、毎日新聞社の校閲グループのツイッターによると正しく読める人は54パーセントなのだそうです。答えはこちら。
【54%読めた】増刷出来(ぞうさつしゅったい)⇒出版物の追加印刷分ができること。「しゅったい」は「しゅつらい」が転じ、出版に限らず物事が起こることで使われるが、特に書籍広告で多く見られる言葉だ。しかし単に「増刷できました!」としたほうが読みやすいのではないか。
— 毎日新聞・校閲グループ (@mainichi_kotoba) 2012, 11月 20
業界用語としてはかなりなじんでしまったことばのようで、出版社側も書店側も抵抗なく受け入れています。
最近は同名のコミックも発売されているため、若い人の正答率が期待できます。 初版本でも完売できない本が多い中、重版の発行が決まると「それはそれはとてもうれしい」(出版社営業担当)というほどうれしい言葉なのだそうです。
- 「重版出来! 」松田 奈緒子著 (ビッグコミックス)
四代続く地方書店の店主と町の人々との繋がり、
黒沢心が担当する新人作家・中田伯と共に
初連載を勝ち取るまでの奮闘。