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ビジネス書のベスト5

ビジネス書ランキングです。

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 「嫌われる勇気」に注目が集まっています。1月25日に発売された「100分で名著」シリーズ「 アドラー『人生の意味の心理学』」も入荷分が完売で追加注文したそうです。

 

 

大手書店とは登場するビジネス書の顔ぶれがまったく違います。

 

 1.「共同通信ニュース予定2016」共同通信社 編(共同通信社

共同通信ニュース予定2016

共同通信ニュース予定2016

 

報道担当者必携のスケジュール帳といった本です。例年だと年が明けると売れ行きも落ち着くはずなのですが、今年はなぜか2月になっても首位の売れ行きです。


2.「嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え」岸見一郎 著(ダイヤモンド社

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

アドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な“答え”を提示します。アドラー人気は2014年頃から続いています。2月3日から教育テレビで放送が始まった「アドラー「人生の意味の心理学」」*1が放送関係者の関心を集めているように思います。

 

「身近な人が亡くなった後の手続のすべて」児島明日美 著

身近な人が亡くなった後の手続のすべて

身近な人が亡くなった後の手続のすべて

 

実際に身近な方が亡くなって様々な手続にとりかからなければならない方、これからそのような場面を迎える可能性がある方に、いちばん身近な参考書。確定申告の時期は税金関係の本がよく出ますが、あまり売れません。難しすぎるからです。ところがこの本は解説や、制度の説明等ではなく「手続のやり方」「書類の書き方」に徹して書かれています。それにコピーがうまい。「身近な人」というのが鍵です。さらに著者が女性3人というのも読者のハードルを下げています。「わかり安く説明する」ことが体に染みついている放送局の担当者にとって「助かる」本なのでしょう。

 

「「ない仕事」の作り方」みうらじゅん

「ない仕事」の作り方

「ない仕事」の作り方

 

「マイブーム」「ゆるキャラ」の名づけ親みうらじゅんの「一人電通」式仕事術を大公開した本です。イラストレーターなど様々な活動で知られる人です。あらゆるサブカルチャーに精通するオタク的感性と、くだらないモノに向けられる独特の視点は放送局で働く人たちの心を刺激し続けています。

  

 「2020年 世界経済の勝者と敗者」ポール・クルーグマン

2020年 世界経済の勝者と敗者

2020年 世界経済の勝者と敗者

 

経済学の巨星、激突す!!「デフレ突入」「バブル崩壊」…生き残るのは米国か、日本か、EUか、中国か。これは先読みの本です。解説担当者はこの手の本屋新聞、放送に目を通し、先々大きな水脈となる兆しを掘り当てなくてはなりません。

 

*1:アドラーの著作から「幸福論」「生き方の変革」「対人関係の在り方」「内面との向き合い方」など、現代人が必ず直面するさまざまな問題を読み解き、「人間はどうしたら幸福になれるのか」という普遍的なテーマを考えていきます。