東京・芦花公園にある世田谷文学館で浦沢直樹展が開催されています。
浦沢直樹氏は1960年世田谷生まれ。子どもの頃から漫画に目覚め、漫画家へ歩んでいった道のりが展示された生原稿や自筆ノートなどからわかる個展です。
一階ロビーはパネルと物販コーナーですが、主人公たちのパネルがフレンドリーです。
展示会場の入り口には、MONSTERの少女のパネルが「おかえり」と迎えてくれます。ここから先は写真撮影禁止。
廊下のパネルの向かい側(右の壁)には、BillyBat「やるせない夜の殺人」の鉛筆書き下絵と完成原稿が並べられています。
会場はそう広くないのですが、資料映像を見るとコーナーが上手に演出されていることがわかります。さて見所は・・・
・ペン入れ作業の定点観察動画コーナー(漫勉のアレです。プロの卵と思われる若者たちが真剣に見入っていました。)
・YAWARAなど主要作品の肉筆原稿(圧巻はMONSTER最終巻の全原稿です。)
・少年時代からデビューまでの自筆ノートおよび生原稿(若気の至りもすべてさらけ出すところがすごい。)
・名場面の抜き焼きパネルコーナー
・ギャラリー(一枚物の人物画。セクシーな絵もかなりあります。)と盛りだくさん。
定点観察映像は飽きません。丸ペンで書いた曲線が気に入らなかったのか修正液で消すシーンなど緊迫感が迫ってきます。
新たな発見だったのが名場面の抜き焼きコーナーです。カットの吹き出しのセリフはそのまま見ても優秀なポスターに見えます。短く切れのいい言葉の力が作品を支えていることがわかりました。
浦沢直樹展は3月31日まで。