本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

本屋のフットワーク

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読売巨人、清原和博、高木京介、野球賭博、渡邊恒雄辞任・・・かつての栄光は今や地に落ちたものです。おごれる者は久しからず。世の中の動きに敏感なのも放送局の本屋の特徴でしょうか。面陳の棚の本が入れ替わっています。「配本されてきた箱の中に、たまたま入っていただけです」と書店員はいいますが、スポーツ関係の棚に刺さっていたのを覚えています。人々が関心を持つ瞬間にさりげなく、人が興味をそそる本を並べるのも書店員の腕です。雑談している間にこの本、売れてしまいました。

「黒い人脈と野球選手」夏原武*1 著(宝島社)

元巨人・福田投手に端を発した野球賭博関与が「第2の黒い霧事件か?」と球界に激震を走らせました。なぜ、野球選手、しかも現役選手が野球賭博に手を染めるのか。その裏社会とのかかわりと、賭博の実態を多くの関係者からの取材で明らかにした一冊です。

著者はルポライター。腕一本でこの世界を生きていく仕事人です。ツイッターを読み始めたら面白い。いくつもの現場をかいくぐってきた熱気があります。

 「ジャイアンツのレギュラークラスのやつが、闇カジノで移っちゃってるんですよ。それがZなんですよ」(愛甲猛さんのインタビュー、拙著より)つまりは、Zまで行ったらアウトってことです。はい。

「力」はそれがどんな種類のものであっても、匂わせている時が最も効果と威力を発揮し、行使した途端にその大半を失ってしまう。

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*1:ルポライター、漫画原作者。千葉県出身。大学中退後、10年近くすさんだ生活を送る。その後、ビデオ専門雑誌編集者を経て、裏社会や詐欺などについて専門に取材するフリーのルポライターとなる。また、漫画の原作者としても活動し『伝説の頭 翔』『クロサギ』『逃亡弁護士』などの原作を担当した。『クロサギ』は小学館漫画賞一般向け部門を受賞し、テレビドラマ化された。主な著書に『サギの手口』『踏み倒しの手口』『現代やくざに学ぶ最強交渉・処世術』など。