本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

江戸の天才絵師になりきろう

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 放送局の本屋はアート関係が充実しています。博覧会や美術展など放送局が主催・後援するイベント・文化事業があるからです。イベントにともない関連本の問い合わせも増えます。今年の目玉は「若冲*1」です。

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若冲は色鮮やかな鶏など動植物を精密なタッチで描いた画家です。鮮やかな作品が多いので若い人にも人気です。平台に図録や写真集などを並べるとお客さんの反応もよく、 なかでも注目を集めているのが「若冲 ぬりえ どうぶつえん」(小学館)です。

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若冲は大作「鳥獣花木図屏風」を描く際、8万6千個ものマス目に色を埋めるという、気の遠くなるような作業で屏風絵を描きました。方眼の上に輪郭線が印刷されています。この上に絵の具でいろを重ねるとできあがりです。子ども向きに編集されてはいますが、絵心を持った大人も楽しめる本に仕上がっています。

「マス目を意識してぬるもよし、マス目を無視して塗るもよし、子どもから大人まで、思い思いに楽しめる1冊」 

子ども時代にかえって、塗り絵を楽しんでみませんか。

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若冲の展覧会は4月開催の予定です。 

生誕300年記念 若冲
The 300th Anniversary of his Birth: Jakuchu
2016年4月22日(金) ~ 5月24日(火)

伊藤若冲(1716-1800)の生誕300年を記念して、初期から晩年までの代表作を紹介します。若冲が京都・相国寺に寄進した「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅(宮内庁)が東京で一堂に会すのは初めてです。近年、多くの人々に愛され、日本美術の中でもきら星のごとく輝きを増す若冲の生涯と画業に迫ります。

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*1:近世日本の画家の一人。江戸時代中期の京にて活躍した絵師。写実と想像を巧みに融合させた「奇想の画家」として曾我蕭白長沢芦雪と並び称せられる。