本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

世界を見通すナビゲーター

書店員は掃除好きです。掃除と行っても読者から見れば店先に並んだ本の配置換えにすぎませんが、暇があればこっちの本をあっちに置いたり、あっちの本をこっちに並べたりして「疲れた疲れた」言っているのだから世話がありません。

まず文芸の平台から見る。スペースは狭いし、平積みされている本の種類も冊数も少ないが、どれも新しい本ばかりだ。固すぎず、かといってありきたりなベストセラーばかりではなく、愛書家に評判のいい本も一冊、二冊スミの方に混じっている。いいセレクションだなと思う。

書店ガール (PHP文芸文庫)

 

放送局の書店がこまめに”掃除”する平台が「政治・経済・国際」の平台です。

政治の世界は広い見識が求められる上、言葉が命なのですから間違いが許されません。よく出来た本と評価を受けているのが、世界の動きを一冊にまとめた「世界年鑑2016」共同通信社編(共同通信社)です。3月発売されました。

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世界各国の情勢と国際機関に関する最新データに、主要ニュースを特集した総合国際情報年鑑。共同通信社の海外全支局、通信員網が取材した膨大な情報をもとに世界の動き、各国元首・閣僚一覧のほか、国別データ、世界人名録、主要統計などを収録。

この本は海外支局の特派員にとってはかなりの必需品らしく、赴任や引き継ぎで新しく彼の地に赴く放送局員に対して「世界年鑑だけは忘れずに持ってくるように」と申し送りされるほど大切な本です。

政治・経済・国際の平台はこんな本が並んでいます。世界を見通すテーマに関心が集まっているのがわかります。

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