本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

週間ベスト10

ベストセラーのランキングです。 

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東京堂神田神保町店調べ(5月31日調べ)

東京堂書店が毎週発表しているランキングは思いっきりクセがあって面白いので、サイトを見てみるとやはりクセがありました。サイト自体も様々な企画が用意されているので、既存のランキングに飽き足らない人は手応えを感じるのではないでしょうか。

東京堂書店-Books Tokyodo|Paper Back Web

すでに終了したイベントですが、気になったのが下記のイベントでした。ほんとうに”危ない”のは事実が知らされないことです。

現役時代に天安門事件が起きました。当時現地で取材に当たったニュースカメラマンから「天安門の映像を当局に没収されないように、撮影したビデオテープのカセットを分解しテープだけ取り出して、下着の中に隠して日本に持ち帰って放送した」というような話を聞きました。「当局の発表した話だけ放送していればいい」なんてメディアトップの発言を聞くと、事実を知らせるという生命線を放棄し、その事態を受け手は承認するアブナイ社会の足音が聞こえる気がします。

5/11(水) 19時~ 日本のメディアが危ない!―元NHKディレクター・プロデューサーと『週刊金曜日』元編集長の徹底鼎談 池田恵理子さん×永田浩三さん×北村肇さんトークイベント | 東京堂書店 最新情報

 

1「古い洋画と新しい邦画と 本音を申せば 」小林信彦 著(文藝春秋

精力的に本を読み、政治を注視し、戦前の洋画から話題作まで味わい尽くした二〇一五年のクロニクル。熱がこもる話題は、戦前の名画「素晴らしき休日」の面白さ、『ルビッチ・タッチ』邦訳刊行、四季の美しい「海街diary」、若尾文子の喜劇と悲劇、などなど。ただ、敗戦を体験した世代として、国会中継を見ていて「なんとも我慢ができないこと」は記しておきたい、とも。「週刊文春」好評連載「本音を申せば」の単行本化第18弾。

2「ランチパスポート神保町・水道橋・御茶ノ水 Vol.5」発行:DRCマーケティング(Sweet Thick Omelet)

“本の街"神保町エリアを中心に水道橋・御茶ノ水界隈までのお店を掲載した使えるグルメ本です。"知る人ぞ知る"名店揃いのこのエリア。通常は700円以上で提供されているランチがなんと税込み540円で食べられる夢のグルメパスポートです!


 

3「虚構の男 ドーキー・アーカイヴ 」L.P. デイヴィス 著(国書刊行会

唖然とする展開、開いた口がふさがらなくなるラスト…早すぎたジャンルミックス作家L・P・デイヴィスによるストーリー紹介厳禁のサプライズ連打小説!本邦初訳。

虚構の男 [ L・P・デイヴィス ]
価格:2376円(税込、送料無料)


 

4「ロックの英詞を読む-世界を変える歌」ピーター・バラカン 著(集英社インターナショナル

世界へ届け!良心の歌。ロック、ソウル、ブルーズの英詞を新訳。行間に込められたメッセージにせまる。

ロックの英詞を読む-世界を変える歌
価格:1620円(税込、送料別)


 

5「闇と静謐 」マックス・アフォード 著(論創社

ミステリドラマの生放送中、現実でも殺人事件が…ジェフリー・ブラックバーン、暗闇の密室殺人に挑む!マックス・アフォードの最高傑作と評される長編第三作を初邦訳!

6「「リベラル」がうさんくさいのには理由がある」橘玲 著(集英社

誤解と差別とダブルスタンダード!敗戦の総括、集団的自衛権表現の自由、労働・雇用問題…。世界標準からかけ離れたニッポンの「リベラル」に、本当のリベラリストはうんざりしている。


 

7「日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか」矢部宏治*1 著(集英社インターナショナル

戦争の脅威が生じたと米軍司令部が判断したときは、すべての日本の軍隊は、アメリカ政府によって任命された最高司令官の指揮のもとに置かれる。これが本書のテーマである「指揮権密約」という、アメリカがもつ巨大な法的権利の正体であり、日本が負う巨大な法的義務の正体なのです。


 

8「日本会議とは何か 「憲法改正」に突き進むカルト集団」上杉聰 著(合同出版)

変容する右派勢力、日本会議がめざす世界。本書は、安倍政権の頼りとする日本会議を実態に即して紹介する。「憲法改正」を切り口に、彼らがめざす社会とはいったいどんな社会なのか、その論理・手法・政権との関係はいったいどうなっているのか、彼らの計画を可視化する。

9「トランプがローリングストーンズでやってきた 言霊USA2016」町山智浩 著(文藝春秋

世界のバカはアメリカをめざす!過激で“使えない”新語・失言がてんこ盛り!サブカルから政治まで、マッドなアメリカがほとばしる、週刊文春の人気連載「言霊USA」単行本化、いよいよ第四弾に突入!アメリカ在住映画評論家の町山智浩さんが、いまアメリカで起きているおバカな出来事、日本では考えられないハチャメチャなニュースを、現地で流行ったスラング、失言、名言をもとに面白おかしく、かつ歴史的な背景も絡めながら解説します。


 

10「1974年のサマークリスマス 林美雄パックインミュージックの時代」柳澤健*2集英社

 1970年代、若者に絶大な人気を誇ったTBSの深夜ラジオ番組『パックインミュージック』。伝説のパーソナリティ・林美雄を軸に、有名無名の人間模様を描きながら70年代カルチャーの実相に迫る青春ノンフィクション。


 

*1:1960年、兵庫県生まれ。慶応大学文学部卒業後、(株)博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。著書に『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)。共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。企画編集シリーズに「〈知の再発見〉双書(既刊165冊)」「J.M.ロバーツ 世界の歴史(全10巻)」「〈戦後再発見〉双書(既刊3冊)」(いずれも創元社刊)。

*2:1960年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒。文藝春秋に入社し、『週刊文春』『Sports Graphic Number』編集部などに在籍。`03年に退社し、フリーとして活動を開始する。`07年にデビュー作『1976年のアントニオ猪木』(文藝春秋)を上梓。著書に『1985年のクラッシュ・ギャルズ』(文藝春秋)、『1993年の女子プロレス』(双葉社)、『日本レスリングの物語』(岩波書店)、『1964年のジャイアント馬場』(双葉社)がある