本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

年配読者のアイドル作家

本日の新刊本2冊

「老いも病も受け入れよう」瀬戸内寂聴 著(新潮社)

死の淵から生還した94歳。はじめての闘病記。病になってわかった元気と長寿の秘訣とは?

f:id:tanazashi:20160610172023j:plain

「男の詫び状」野坂昭如 著(文藝春秋

ぼくの言葉を誰かが覚えているかぎりぼくは死なない。阿川佐和子瀬戸内寂聴吉永小百合など三十七人と熱のこもった最後のメッセージ!

放送局の書店で本を買われるお客様に中には年配の方もいます。雑誌や情報系の本をお求めいただくのは比較的若い年齢層の方です。それに対して単行本をまとめて買われるのは年配の方です。「単行本は活字が大きいから読みやすいからでしょう」と書店員はつぶやきますが、その通りだとしてもなんてひねた物の見方をする店員でしょう。年配には優しくしないといけません。

 

定年前後の世代はちょうど高度成長とその末路を見てきた世代です。そして、その頃文壇で活躍していたのがこの二人の著者でした。制作者としてこの二人と仕事をさせていただいた知人も何人かいます。共通していえるのは強いメッセージを発信しつづけてきた人たちで、固定客をしっかりつかむカリスマ性を持った作家だと思います。

「取材や番組でおつきあいした関係者はファンになる。だから置けば売れる本です」と今日もまた書店員は強気です。