小学館の少女漫画雑誌「フラワーズ」7月号が各地の書店で売り切れた。という話題を新聞で知りました。あわてて書店に行くと「その通りです。遅かったですね」と書店員。そもそも配本される漫画雑誌の数そのものが少ない書店ですが、その数冊が入荷した瞬間に売り切れたのだそうです。
通常の部数より多い5万部を用意したが足りず、増刷分もすぐ完売したという記事を読むと、紙の本も捨てたものではないように思います。
小学館のサイトを見ると、7月号に限定してダウンロード販売*1 の対応を取っているようなので、ひと昔前のように買い逃して読めない人が出て暴動が発生・・・といった事態発生は防げそうです。
これは、人気作家・萩尾望都さんの漫画「ポーの一族」の続編が、40年ぶりに特集されたことによります。萩尾望都さんといえばEテレの「漫勉」でその執筆ぶりを拝見し、仕事に取り組む姿勢に打たれました。登場人物の描き方に品があります。眼から鼻に抜ける線がいいですね。そして構図や配置も広がりを感じます。天性の素質に加えて、積み重ねられた努力。なによりも描くことが大好きな作家であることが伺えます。
放送局員の中にも萩尾ファンの制作者が何人もいます。その多くが年配の女性局員です。(男性局員の中にも少女コミックスのファンがいることを知っています。その存在は公開されていません)40年前といえばようやく漫画が市民権を得始めた時代で、子どもは「漫画ばかり読んでいると頭が悪くなる」と怒られたことを思い出します。
読者であった子ども時代は気にも留めていませんでしたが、漫画を書くということは相当な重労働であり、創作の才能が求められる仕事です。そのことが分かるようになった今、40年という歳月を思うと、萩尾さんの持つ強さに改めて驚かされます。
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