本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

週間ベスト10

ランキングです。 

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東京堂書店神田神保町店調べ(6月28日)

 

1「伯爵夫人」蓮實重彦 著(新潮社)

【第29回三島由紀夫賞受賞作】 エロス×戦争×サスペンス 世界の均衡を揺るがす文学的事件! 帝大入試を間近に控えた二朗は、謎めいた伯爵夫人に誘われ、性の昂ぶりを憶えていく。そこに容赦なく挑発を重ねる、従妹の蓬子や和製ルイーズ・ブルックスら魅力的な女たち。しかし背後には、開戦の足音が迫りつつあるらしい――。蠱惑的な文章に乗せられ、いつしか読者は未知のエクスタシーへ。著者22年ぶりとなる衝撃の長編小説。

伯爵夫人 [ 蓮實重彦 ]
価格:1728円(税込、送料無料)


 

2「あたらしい憲法草案のはなし」自民党憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合 著(太郎次郎社エディタス)

「国民が国家をしばる約束」から「国家と国民が協力してつくる"公の秩序"」へ。草案の提案する憲法観の大転換を、起草者たちの論理と願望にぴったりとよりそって語る。


 

3「まっ直ぐに本を売る : ラディカルな出版「直取引」の方法」石橋毅史*1 著(苦楽堂)

書店の利益を増やす。書店が求める冊数を、即日出荷する。返品率は10%台―。尖鋭にして根源的な本の売り方「直取引(トランスビュー方式)」のすべてを解剖する。

まっ直ぐに本を売る [ 石橋毅史 ]
価格:1944円(税込、送料無料)


 

4「HAB 本と流通」(エイチアンドエスカンパニー)

通算2号。
テーマは流通
[CONTENTS]
日販王子流通センター
子どもの文化普及協会
柴野京子上智大学
ツバメ出版流通
八木書店
トランスビュー
出版共同流通センター

HAB本と流通
価格:1296円(税込、送料無料)


 

5「希望荘」宮部みゆき 著(小学館

家族と仕事を失った杉村三郎は、東京都北区に私立探偵事務所を開業する。ある日、亡き父・武藤寛二が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を調査してほしいという依頼が舞い込む。依頼人の相沢幸司によれば、父は母の不倫による離婚後、息子と再会するまで30年の空白があった。果たして、武藤は人殺しだったのか。35年前の殺人事件の関係者を調べていくと、昨年発生した女性殺害事件を解決するカギが隠されていた!?(表題作「希望荘」)。「聖域」「希望荘」「砂男」「二重身」…私立探偵・杉村三郎が4つの難事件に挑む!!

希望荘 [ 宮部みゆき ]
価格:1890円(税込、送料無料)


 

6「宇宙探偵マグナス・リドルフ ジャック・ヴァンス・トレジャリー 」ジャック ヴァンス*2 著(国書刊行会

ある時は沈毅なる老哲学者、ある時は知謀に長けた数学者、しかしその実体は宙を駆けるトラブルシューター、その名もマグナス・リドルフ!魑魅魍魎の異星人たちを相手に、白髪白鬚の老紳士マグナスの超思考が炸裂する痛快無比な宇宙ミステリシリーズがついに登場。ミステリからファンタジー、秘境探検に海洋冒険、さらにはハードSFまで、ヴァンスのヴァラエティに富んだ世界が堪能できる連作全10篇収録。


 

7「餃子バンザイ! 」今柊二 著(本の雑誌社

餃子には数えきれないほどの楽しみがある──肉汁と餃子愛がほとばしる満腹スーパーガイドエッセイ!

餃子バンザイ! [ 今柊二 ]
価格:1296円(税込、送料無料)


 

8「怪物君」吉増剛造 著(みすず書房

60年代から現在に至るまで、現代詩の最先端を疾走する詩人中の詩人、吉増剛造
大震災からの五年、渾身の力を込めて書き続けられた一連の詩「怪物君」。
本にするのは不可能といわれてきた詩の群れがついに詩集のかたちになる。
震災の後に見た光景、土地の記憶、人々の声、古今東西の言葉……。
生者と死者が交わる場所に途方もないヴィジョンが立ち上がる。
囁くように、叫ぶように、音楽のように、あらゆる声が響き渡る、世界に対する詩人の応答。

怪物君 [ 吉増剛造 ]
価格:4536円(税込、送料無料)


 

9「日本会議の全貌 知られざる巨大組織の実態」俵義文*3 著(花伝社)

安倍政権を支える極右組織――日本会議
彼らは何者で、何をやってきて、何を目指すのか――

日本会議研究の第一人者による詳細な報告

日本会議の全貌 [ 俵義文 ]
価格:1296円(税込、送料無料)


 

10「デザインのひきだし プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌 28」(グラフィック社)

 特集は『造本とブックデザインと。』。なんだか今の日本のブックデザインは元気がない!? 日本の昔のチャレンジングな造本の本や、海外の先鋭なブックデザインの本、そして今の日本でも頑張っている造本の本をドンとご紹介。本づくりをするすべての人に刺激を与える1冊です。

*1:1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社勤務を経て、1998年に新文化通信社入社。「新文化」記者を務める。2005年からは編集長。2009年12月に退社。現在フリーランス

*2:1916~2013アメリカのSF作家、ファンタジー作家。本名は、ジョン・ホルブルック・ヴァンス (John Holbrook Vance)。サンフランシスコ生まれ[1]。カリフォルニア大学卒業し、船員など職を転々とした後、1945年に「スリリング・ワンダー」誌からデビュー[1]。異星文明をリアルに、魅力的に描き出す手腕には定評がある。

*3:1941年福岡県生まれ。中央大学法学部卒。新興出版社啓林館・東京支社に勤務。その間、出版労連教科書対策部長、同事務局長、教科書検定訴訟を支援する全国連絡会常任委員など。現在、子どもと教科書全国ネット21事務局長、立正大学心理学部非常勤講師