「戦争をたたえるような雑誌を作ることは、わたしにはどうしても苦しくて・・・。いろいろなものを奪っていく戦争をたたえ、国民を煽るような雑誌を作りたいという気持ちには、どうしてもなれないんです」
西田征史氏の脚本が冴え渡る朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」が快調です。佳境を迎え、評伝やエッセイが本屋の店頭を飾り始めています。
「花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部」小榑雅章 著(暮しの手帖社)
花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部 [ 小榑雅章 ]
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「大橋鎭子と花森安治『暮しの手帖』二人三脚物語」塩澤実信 著(北辰堂出版)
「『暮しの手帖』花森安治と『平凡』岩堀喜之助」新井恵美子 著(北辰堂出版)
「花森安治伝: 日本の暮しをかえた男」津野海太郎 著(新潮社)
「花森安治の編集室 「暮しの手帖」ですごした日々」唐澤平吉 著(文藝春秋)
「大橋鎭子と花森安治 戦後日本の「くらし」を創ったふたり」『歴史読本』編集部(KADOKAWA)
いろいろなものを奪っていかない雑誌をつくりたい。二人を結びつけた本が「暮らしの手帖」でした。発行部数は19万部*1全盛期は100万部を超えたこともある生活実用誌です。入れ替わりの激しい出版業界の中でも70年つまり3世代にわたってデザインや連載もかえずに続いているところに、安心感があります。(生活実用誌の編集者たちからも「実家」だとか「帰る場所」と評価されています)
暮らしの手帖の編集方針は大黒柱のようにぶれません。
「暮らしと結びついた美しさが、ほんとうの美しさだ。」
生活者の視点という柱を立て、そして磨き上げたのが花森安治氏でした。
放送局員から見ると大橋鎭子氏や花森安治氏はまさに旬の人です。
さまざまな番組の企画素材として書籍を求められる局員も多く本屋としても書籍の確保に責任を感じているようです。
花森安治は誌面構成から表紙まで雑誌作りを一人で手がけた「鉄人」でした。表紙の絵は花森が描いたものであることは広く知られています。その花森安治氏が描いた153枚の表紙を取り上げた日曜美術館「“暮し”にかけた情熱~天才編集長・花森安治153枚の表紙」は7月17日の放送です。
世田谷美術館で来春企画展も予定されていると聞きました。
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