本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

週間ベスト10

人文部門のランキングです。 

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東京・あゆみBOOKS早稲田店調べ(7月10日~16日)

読書情報サイトは山のように出版される新刊本の中から話題の本にたどり着く一つの手段です。サイトに紹介されたことをきっかけに売り上げが伸びたのが7位に入った「「こつ」と「スランプ」の研究 身体知の認知科学」です。認知科学者が、運動や仕事でスランプを脱出するために「ことば」をどう活用すべきかを考察した「講談社選書メチエ」の一冊です。

 

1「属国民主主義論」内田樹白井聡 著(東洋経済新報社

「尊米攘夷」化する日本。自発的隷従の論理と心理を抉り出す!「コスパ化」「消費者化」「数値化」「幼稚化」「階級化」をキーワードに徹底討議!「永続敗戦」レジームで対米従属を強化する日本。いつ、主権を回復できるのか。どのようなかたちで、民主主義を実現できるのか。 

属国民主主義論

属国民主主義論

 

 

2「大人の「不倫学」」森川友義 著(宝島社

早稲田大学の森川友義教授が不倫を科学的に学問として解明する「不倫学」の本。
どうやら不倫(浮気)は世界共通の現象のようだ。
第42代米国大統領のビル・クリントンだってホワイトハウスで不倫をし、エジプト人クレオパトラだって、中国人の楊貴妃だって不倫相手だったことがある。
人は不倫欲求と、倫理観・法律的罰則・社会的制裁のおそれの狭間で悩んでいる。
本書を読んでマジメに「不倫の世界」をのぞいてみましょう。 

大人の「不倫学」

大人の「不倫学」

 

 

3「新版 論文の教室―レポートから卒論まで」戸田山和久 著(NHK出版)

論文って何だ!?それは、「問い」に対して明確な答えを主張し、その主張を論証するための文章である。主人公は作文の苦手な大学新入生。彼が読むに耐える論文をなんとか仕上げるまでを時系列で辿りながら、論理的に文章を書くためのノウハウを伝授。論文のアウトラインの作り方を丁寧に紹介するほか、主張の説得力を高めるためのコツを明快に説く。インターネットなど情報へのアクセス法もさらに詳しく解説、巻末付録も充実した決定版。

4「奴隷船の歴史」マーカス・レディカー 著(みすず書房

黒い奴隷と白い奴隷を乗せた「水に浮かぶ地獄」。資本主義成立の陰にあった残忍と悲惨、強欲と搾取、抵抗と反乱を現前させ、アフリカ系アメリカ文化への視座をも登り替える、黒い大西洋史。ジョージ・ワシントン図書賞をはじめ数々の賞に輝く。 

奴隷船の歴史

奴隷船の歴史

 

 

5「「承認」の哲学――他者に認められるとはどういうことか」藤野寛 著(青土社

近年注目の哲学者ホネットの「承認」論から出発し、ルソー、カント、アドルノなどの哲学界の巨人の議論、さらには村上春樹の小説や現代のSNSなどの事例にいたるまで、多彩な角度から社会的存としての人間の根本に迫る。 

 

6「日本×香港×台湾 若者はあきらめない」SEALDs 著(太田出版

国境を超えた「学生運動」の連帯は可能か?東アジア学生対話集。 

日本×香港×台湾 若者はあきらめない

日本×香港×台湾 若者はあきらめない

 

 

7「「こつ」と「スランプ」の研究 身体知の認知科学」諏訪正樹 著(講談社

内角高めの球を打つ、料理の火加減を調節する、説得力あるプレゼンをする…スランプではことばが増え、こつをつかむと体感で御す。「からだ」の学びに、なぜ「ことば」が必要なのか?身体知の解明に挑む、認知科学の最前線! 

「こつ」と「スランプ」の研究 身体知の認知科学 (講談社選書メチエ)

「こつ」と「スランプ」の研究 身体知の認知科学 (講談社選書メチエ)

 

 

8「再興! 日本仏教」正木晃 著(春秋社)

日本仏教しか21世紀の苛酷な社会には生き残れない!?「近代化」「内面化」「死後世界と霊魂」をキーワードに、日本仏教が社会貢献の面でいかに可能性に満ちた宗教であるかを解説し、かつ日本仏教再興の具体的な方法も提示する。 

再興!  日本仏教

再興! 日本仏教

 

 

9「あたらしい憲法草案のはなし」自民党憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合 著(太郎次郎社エディタス)

「国民が国家をしばる約束」から「国家と国民が協力してつくる"公の秩序"」へ。草案の提案する憲法観の大転換を、起草者たちの論理と願望にぴったりとよりそって語る。

目次
はじめに
1 憲法を変える理由
2 国民主権の縮小
3 戦争放棄の放棄
4 基本的人権の制限
5 強く美しい国
資料1 「あたらしい憲法のはなし」(抄録)
資料2 自民党憲法改正草案(現行憲法条文対照) 

あたらしい憲法草案のはなし

あたらしい憲法草案のはなし

 

 

10「料理と帝国――食文化の世界史 紀元前2万年から現代まで」レイチェル・ローダン 著(みすず書房

古今東西、圧倒的な数の料理が登場。社会、政治、経済、宗教との関係は?紀元前2万年の穀物料理から現代のハンバーガーまで。食文化史でまず一冊と言うなら、この本だ。図版68点、地図10点。 

料理と帝国――食文化の世界史 紀元前2万年から現代まで

料理と帝国――食文化の世界史 紀元前2万年から現代まで