本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

放送の仕事を振り返る本

本日の最前線です。 

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放送局の書店では、番組に関係する本も揃えますが、それ以上に品揃えに気を遣うのがつくる側から見た番組や放送の本です。

放送局員にとってはおまんまのタネにあたるので、よその書店に置いてあるけど放送局の書店にないなんて洒落になりません。

「テレビは男子一生の仕事: ドキュメンタリスト牛山純一」鈴木嘉一 著(平凡社

『ノンフィクション劇場』をはじめ、“テレビ第一期生”としてドキュメンタリーの地平を切り拓いた伝説的プロデューサーの生涯。

紀元2600年のテレビドラマ ブラウン管が映した時代の交差点」森田創*1 著(講談社

日本初のテレビドラマは、いつNHKで放送されたか? 実験放送は、真珠湾攻撃の当日、昭和16年12月8日午前にも予定されていたが、開戦とともに放送用の開発は終わり、戦時中は、飛行機に搭載する超小型テレビや電波探信機の研究に切り替わった。昭和15年4月に無線で放送されたテレビドラマ『夕餉前』は、原泉子、岩下志麻の父・野々村潔、寺尾聡の母・関志保子が出演、照明1万ルクス、灼熱のスタジオで髪が燃えたというエピソードが残った。10月の第2作『謡と代用品』には、天才子役だった中村メイコがカメラの前に立った。また、世界初の技術でブラウン管に映像を映した高柳健次郎の奮闘など、戦前のテレビ開発に賭けた人びとの夢を追うノンフィクション。

「ドキュメント「みなさまのNHK」: 公共放送の原点から」津田正夫 著(現代書館

30年近くNHKで報道番組制作に関わった著者が、NHKと市民メディアの現状から、「新しい公共放送」の課題と可能性を追う。

マスコミ志望の学生さんなら、読んでおいて損はしません。 

*1:1974年(昭和49年)、神奈川県出身。99年、東京大学教養学部人文地理学科卒業。同年東急電鉄入社。渋谷ヒカリエ内の劇場「東急シアターオーブ」の開設を担当する。現在、同社広報部勤務。2014年、初の著書『洲崎球場のポール際 プロ野球の「聖地」に輝いた一瞬の光』(講談社)により、第25回ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。