本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

パルコの書店、本日閉店

渋谷公園通りのパルコが今日で営業終了というので行ってきました。

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炎天下の中、朦朧とした目に飛び込んできたのがパルコビルの異変。壁面にゴジラの首が飛び出しています。「シン・ゴジラ」の公開にあわせたウォールペインティングでしょうか。

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近くに寄ってみると、絵ではなく造形のようです。

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Rの文字だけをわしづかみしているのにはなにか訳があるのでしょうか。パルコビルの裏側の壁は知る人ぞ知るアートの聖地。80年代頃から壁に直書きする広告が町行くヒトの目を楽しませてくれていました。

ファッションの聖地として知られるパルコは、アートの発信地でもあります。その中心として知られるのが地下一階の「パルコブックセンター」です。

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エレベーターから見た書籍売り場は、今日が最終日とあって閉店を惜しむ客が目立ちます。

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この書店の特徴は、ファッションやアート、さらに洋書の比重が大きいことです。広告やアート系に振り切った充実した品揃えは結構利用させてもらいました。

それにしても90%引きというのには驚かされます。

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子ども向けの書籍は比較的数が残っていました。こちらは3割引き。

取次から配本される国内の書籍とちがって店が独自に仕入れた洋書については返品がききません*1。在庫はバーゲンとなります。

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いつもは写真集などが置いてある棚はがらんとしています。

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渋谷パルコは1973年のパート1の開業から今年で43年間の長きにわたり、ファッションをはじめアート、カルチャー、ライフスタイルの情報発信拠点としてたくさんのご支持とご愛顧をいただきました。あらためて厚く御礼申し上げます。

このたび、建て替えのため一時休業となりますが、3年後にはさらなる街の活性化に貢献できるような魅力のあるビルとして生まれ変わります。

3年後、どのような姿となって復活してくれるのでしょうか。 

*1:トーハンによると、洋書の返品は書店から見ると手間でした。書籍専用返品表の起票および返品商品への貼付が必要でしたが、8月1日から洋書無伝票化が開始されたことに伴い、一般書籍と混送により返品ができるようになりました。対象商品は、日本出版貿易、三善、東京ブックランド、日販IPSのバーコードシールが貼付されている商品です。 トーハン週報8月8日号より