本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

ゴジラ&怪獣映画をキホンから学ぶ本

映像制作関係者向けのコーナーに登場しました。

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「モンスターメイカーズ 増補改訂新装版」STUDIO28 編(洋泉社

1933年、世界を揺るがした怪獣特撮映画『キング・コング』。
自分もコングのような怪獣映画を作ってみたい! そんな夢に人生を捧げた男たちがいた。
そのひとり、レイ・ハリーハウゼンはやがて多くの傑作怪獣映画に携わり、その後を追った青年たちもハリウッドの怪獣映画を支えていく。
しかし、飛躍的に進化する特撮技術を前に、
彼らの愛情溢れる怪獣作りは大きな試練を迎えることになるのだ……。
多くのファンの支持を集めたロボット対怪獣映画『パシフィック・リム』は、なぜレイ・ハリーハウゼンに捧げられたのか?
銀幕に暴れるモンスターたちを生み出した野郎たちの壮絶人生!

怪獣映画の監督に、子ども時代にあこがれたクリエイターはかなり多いのではないかと思います。昔、私の周囲にもそんな友達がいました。親から借りた8ミリカメラで模型をコマ撮りして短編を制作、逃げ惑う子どもたちの一人として動員された記憶があります。3分程度の内容を作るのにお小遣いを数ヶ月分使い果たしたと記念上映会で泣いていた監督の顔を忘れません。そんなスピリットを抱えながらプロになった人たちの物語です。目次を見ただけで、その濃さが瘴気のように立ち上がってきます。

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洋の東西を問わずいたんですね。同じ穴のむじなが。そういえば、話題作「シン・ゴジラ」で大監督になってしまった庵野秀明監督もほとんど同じ人生を歩んでいましたね。学友?の漫画家・島本和彦氏が「アオイホノオ」で描いていたのを思い出しました。島本先生は自分たちの学舎である大阪芸術大学のことを「大作家芸術大」と揶揄していたところから笑えます。笑いながら切なくなります。ページをめくってほろ苦さを味わいたいクリエイターは読むべし。

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