今日登場したのがこの本。
「「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち」石井光太 著(新潮社)
厚木市幼児餓死白骨化事件、下田市嬰児連続殺害事件、そして足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件。本書はこれらの事件の詳細を、丁寧に追いかけたルポルタージュ。
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こうした事件が後を絶ちません。被害者は年端のいかない子どもたちであるだけに、やるせない気持ちがします。
事件が起きるたびにマスコミはステレオタイプな報道を繰り返し、ほとんどの場合養育者の責任を追及して収束に向かいます。いいわけめいていますが、事実の速報が主たる仕事である放送局のニュース取材の現場では、毎日のように起きる事件への対応で追われ、どうしても警察発表を超えることができません。それでも、時間をやりくりしながらニュースで伝えきれなかった事件の背景を探りに行く取材者が現れます。
わが子を殺めた親の事情を深掘りしない限り、事件は再発を繰り返すだけです。埋もれた事件の全貌を丁寧に掘り起こすことができるのは、取材者のわだかまり以外にないと改めて感じます。
加害者を単なる非道な「鬼畜」として描くのではなく、加害者の被害者的状況にも気持ちを寄り添わせ、背景にある大きな要因を追いかけなければ、見えてこないものがある。
社会的な問題として語られることの多い児童虐待だが、センセーショナルに注目を集めるからこそ見落とされがちな罠が、たしかに存在する。報道するマスコミだけでなく、その事件にかかわる多くの関係者が、典型的な事件として処理を進める中にこそ盲点は潜んでいるのだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160823-00043235-nhonz-life