表舞台にお目見えした本です。
「言葉にできるは武器になる。」梅田悟司*1 著(日本経済新聞出版社)
「人に伝える・動かす」は、多くの人が様々な場面で直面し、悩むテーマ。いかに言葉を磨き上げるか? 誰にでもできる方法論を具体的に解説する本書は、ビジネスコミュニケーションや企画のプレゼンなどの仕事シーンはもちろん、私生活でのアピール、さらには就職・転職活動にも役立つ考え方が満載の一冊。
コピーは俳句ではありません。見た瞬間、聞いた瞬間に相手にアクションを起こさせる起爆剤です。「そうだ。バカやろう」なんてコピーがありましたが、えっと思っても受け手が反応すれば勝ちです。鑑賞作品というより、気づきの増幅装置といっていいかもしれません。
大手書店の広告関係のコーナーには、名の知れたコピーライターの著作が並んでいます。つまりコピーの書き方に悩む読者が世の中にかなりいるということです。でもほとんどの本に書いてあるのは正解を導く方程式ではなく体験談です。
著者はそれなりの苦労を重ねて今の立場にいるわけですから、たとえ本にうまい方法が書かれていても、著者が辿ったそれなりの苦労を重ねて見ないと自分のものにはならないように思います。
私自身を振り返ると、まず数を書く。ヒントを得るためには人が書いた名作コピーを読む。できればコピーに貼り付ける画像を合わせて構成してみる。恥を忍んで公開する。・・・このPDCAのような繰り返しを何年か積むことを繰り返しました。(積んでも分からない部分は多いのですが)
そうするとたまに、手応えがうっすらと見えてくる場合があります。それこそが自分と他人がシンクロしたことを示すメッセージであり、それは人にはマネができない分だけ、相手から信頼を受け取れたことを示すシグナルだったように思います。