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あなたの体は9割が細菌

今日登場した本 

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「あなたの体は9割が細菌」アランナ コリン 著(河出書房新社

肥満も、アレルギーも、うつ病も、微生物の問題だった!ヒトの腸内には100兆個もの微生物がいる!最新の「ヒトマイクロバイオーム・プロジェクト」の成果を踏まえて警鐘を鳴らす、世界19カ国で刊行のベストセラー!

科学番組を制作する放送局員の中には、医学部出身など本来進むべき(?)道を誤りこの職業を選んだ猛者が数多くいます。彼らの多くは、最先端の研究者や学者と対等に近い会話ができます。話が早くまとまるため、出演交渉や、最先端のテーマを企画に落とし込んだり、いっしょに地球の果てまでロケに出かけるなど大活躍です。

最先端の事象や複雑で難しい話をかみ砕き、素人でもわかった気にさせるのが仕事なので、書店も間違った選書ができません。怪しげな健康書やトンデモ科学本のたぐいを間違って並べると信用を失うことになります。

科学関係の本の紹介や注文が入るとチャンスです。実績ある科学ジャーナリストによる著作。とくに「新しい視点」が入った新刊は、いずれブームとなって売れることもあることから、マークして仕入れます。

本書のテーマは「アウトソーシング」。誰に何をアウトソーシングするか?ミクロな世界には大きな驚きが詰まっています。 

2003年にヒトゲノム・プロジェクトが完了したとき、研究者たちはヒトの遺伝子が線虫と同じ、21,000個しかないことに驚いた。ヒトはなぜ、そんなに少ない遺伝子でこんなに複雑な生命活動ができるのだろう? そのカギは、体内に棲む微生物に多くの活動を「アウトソーシング」していることにあった。
赤ん坊は産道を通るとき、母乳を飲むとき、母親から微生物一式を受けとり、その微生物集団と共に成長する。ところが最近では、赤ん坊がその微生物一式を受けとれなかったり、せっかく育ったコロニーを消滅させてしまったりすることが増えてきた。肥満、過敏性腸症候群、アレルギー、自己免疫疾患、自閉症など20世紀後半から先進国で急増している病気は、人体内に存在する細胞の90%を占める微生物の様相が従来と変わってしまったことで生じている、というのがこの本のテーマだ。 矢野 真千子(訳者)

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