本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

脚本術とストーリー術

今日、映像関連コーナーに登場したのがこの本

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「脳が読みたくなるストーリーの書き方」リサ・クロン 著(フィルムアート社)

“心"ではなく、読者の“脳"を刺激せよ!

テーマ、キャラクター、プロットの組み立て方を脳科学の観点から指南!
脳科学、神経科学、認知心理学……ゆるぎない事実に基づく、物語創作の新しい実践ガイド。

☆デイヴィッド・イーグルマン(脳神経科学者)推薦!


脳はストーリーをどう認識するのか? そして、どのようなストーリーに夢中になるのか?
面白いストーリーは、私たちの意識を常に集中させ、他のことに気をそらせない。つまり、ストーリーを書くうえで重要なポイントとは、「次に何が起こるか知りたい」という脳の欲求を常に引き出し続けることである。それが欠落していたら、どんな美しいメタファーも魅力的なキャラクターも、読者を満足させることはできないのだ。

小説、映画脚本、短編などの実例を参考にしながら、脳を満足させるためのストーリーの書き方を指南する。人間の“認知的無意識"が明らかにする、物語創作の実践ガイド。

放送局員の多くは作家でもなければ脚本家でもありません。昔は自分で脚本も書いてドラマをつくるなんて猛者がいましたが、組織の構造上そのような「勤務」はなかなか通らなくなってきています。それでも、こうした本が読まれるのは物語=ホン(脚本のこと)を書くという行為そのものが、映像制作者の本能を喚起する根源的な欲望なのかもしれません。川上量生さんが述べていましたが、脳の中には感動する鍵穴があり、作家はその鍵穴を探り当てる技術者だという話も頷けます。

 

「サブテキストで書く脚本術 (映画の行間には何が潜んでいるのか) 」リンダ・シーガー 著(フィルムアート社)

物語の中で巧みな伏線が張れない、登場人物の感情や行動にリアリティがない、様々な解釈ができるストーリーにできない、奥行きのあるセリフが書けない。創作の悩みを解く鍵は「サブテキスト」にあった!ストーリーとキャラクター造形をさらに深めるための一歩先にいく創作術。映画脚本だけでなく、演劇、小説、マンガ、ゲームシナリオなどすべてのストーリー創作者に役立つヒント満載!

脚本は書かないまでも、脚本を読む必要があるのが放送局員の日常です。たとえば、プロダクションの提案を採択して予算の査定を行う担当者など、直接制作に携わらなくてもホンを読み、その値踏みをしなくてはなりません。よく練られた脚本は頭の中に映像が浮かんできますし、上手に張られた伏線や、話の進行とともに回収する技術に長けた脚本は読んでいる時間を忘れさせます。テレビをつくるプロフェッショナルたちと建設的な議論を進める上で役に立ちそうな指南書といえます。(それにしても、ハリウッド系の人材は論理的でかつ、強いといつも思います。)