本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

超予測力 不確実な時代の先を読む10カ条

登場したこの本。

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「超予測力:不確実な時代の先を読む10カ条」フィリップ・E・ テトロック 著(早川書房

「専門家の予測精度はチンパンジーのダーツ投げ並みのお粗末さ」という調査結果で注目を浴びた本書の著者テトロックは、一方で実際に卓越した成績をおさめる「超予測者」が存在することも知り、その力の源泉を探るプロジェクトを開始した。その結果見えてきた鉄壁の10カ条とは…政治からビジネスまであらゆる局面で鍵を握る予測スキルの実態と、高い未来予測力の秘密を、米国防総省の情報機関も注目するリサーチプログラムの主催者自らが、行動経済学などを援用して説く。“ウォール・ストリート・ジャーナル”“エコノミスト”“ハーバードビジネスレビュー”がこぞって絶賛し、「人間の意思決定に関する、『ファスト&スロー』以来最良の解説書」とも評される全米ベストセラー。

出版社が自社の本を宣伝する際、「なるほど読みたい」と思わせる紹介文と、「中味がわからない」紹介文の二種類がある。と「本屋がなくなったら、困るじゃないか」にありました。書店は必至に本を売るのが商売ですが、出版社は印刷して取次に渡してしまえばこちらのもの・・・という意識があるように感じます。本書の紹介は後者です。

訳者の土方奈美氏がHONZに寄せた一文の方がわかりやすい。

一貫して予測力を研究してきたペンシルバニア大学教授、フィリップ・テトロックの研究成果である。テトロックの率いる研究チーム「優れた判断力プロジェクト(GJP)」は、2011年から15年までアメリカ国家情報長官直属の組織であるIARPAが主催した予測トーナメントに出場、圧倒的な成績を収めた。予測する内容が「金相場は暴落するか」「朝鮮半島で戦争が勃発するか」といった複雑で重大な世界的問題であったにもかかわらず、GJPの予測の正確性は他大学の研究チームはもちろん、CIA(中央情報局)などの諜報機関で働くプロの情報分析官のそれさえも上回った。

honz.jp

つまり、「未来予測」を仕事にする専門機関があり、そこで働く「予測者」たちは、どのような人々で、どのように予測を立てるのかという本らしいのです。未来のことが分かれば大金持ちになれるという話は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などで見た覚えがありますが、絵空事ではなかったのですね。

われわれは自らの予測力を高めると同時に、政治家、評論家、学者など権威とされる人々の予測を無批判に受け入れる前に、「この人物の過去の予測は正確だったのか」と問いかける必要がある。それが空疎な議論を防ぎ、予測と検証のプロセスを通じて社会が賢くなることにつながる。

即効薬としての効果を本書を望んだ人は期待外れに終わりそうです。

超予測力:不確実な時代の先を読む10カ条 (ハヤカワ・ノンフィクション)

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