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本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

本棚の会という裏組織?

岩波書店の本が見当たらない理由を書店員に聞きました。すると「一般の書籍は委託配本制というしくみで取り扱っています。売れなかったら返品できるしくみです。しかし、岩波本は返品できません。書店が出版社に注文して売る"買い切り制”なのです」という説明。大手書店には岩波の本が置いてあるのを見かけますが、責任を持って売り切る力がある書店であることの証と言えなくもありません。

さて、そんな予備知識を持って大手書店を覗くと、岩波の本に帯が巻かれていて「本棚の会」とあるのが目に入りました。

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「本棚でしか出会えない本がある」というキャッチが強気な「本棚の会」とは何か。書店員に聞くと「??」という返事。検索をすると「裏組織」というフレーズが浮かび上がりました。 

買い切り制で岩波の本を抱えた大手書店が、連携して岩波の本をPRする広告プロジェクトかもしれません。東京堂書店でも11月まで開催するフェアに「本棚の会」の名前がありました。 

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東京堂神田神保町店の選んだタイトルは「パウロの政治神学」ヤーコプ・タウベス 著

ローマ書の読みを転倒させる。メシアの論理と伝統に連なることで、新たな“神の民族”という普遍的な共同性の創始を目指したパウロ。信仰と法、召命と排除、精神性と世俗性…ユダヤ教の救済と解放のヴィジョンを参照枠として、プロテスタント的な解釈の礎石を突き崩していく。描き直されたパウロ像を起点として立ち上がる精神の系譜、ニーチェカール・シュミットカール・バルトフロイトベンヤミン―世俗化と啓蒙の「近代」という図式に穴をうがつ、一つの知の気圏と、知られざる思想史の風景。

 

東京堂さんの気合いの入れ方が尖ってる見るからに岩波というタイトルです。さて、紀伊國屋新宿本店の選書は・・・

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「喪の途上にて」野田正彰 著

かけがえのない人の突然の死を、遺された人々はどのように受け容れるのだろうか。精神科医である著者が航空機事故史上最悪の惨事となった日航ジャンボ機墜落事故遺族の悲哀の過程をたどる。一人一人の想いと向き合いながら、悲しむことの意味を問い直すノンフィクション。第一四回講談社ノンフィクション賞受賞作。

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各書店の選書を見ると、在庫一掃というイメージではなく、本気を感じさせられる内容のようです。33書店のリストくらいアップすればいいのに。