本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

トランプのツケ

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「トランプ」ワシントン・ポスト取材班 著(文藝春秋

テレビ東京系(全国ネット)『日曜夕方の池上ワールド』で、池上彰氏が紹介!

初めて明かされる国盗り物語の全貌

これまで数々のスクープで世界中に衝撃を与えつづけてきたワシントン・ポスト紙が、3か月にわたって20人以上の記者を投入し、これまで1度も選挙の洗礼を受けていないトランプの全人生を徹底取材!

発売直後、英ガーディアン紙をはじめ、欧米の各紙が一斉に取り上げる一方、トランプ氏本人は本書について「Don't buy, boring!(買うな、退屈な本だ!)」と、自身のTwitter不買運動を呼びかけた。

・マンション群に黒人を入居させなかったとして「人種差別罪」で訴追されている。
マライア・キャリーやダイアナ妃と「やりたい」「自分ならやれた」とラジオで公言。
・3度目の結婚の際にヒラリー・クリントンを招待、ヒラリーは最前列で出席。
・1999年から2012年まで7回、党籍を変える。民主党、共和党、改革党。
・トランプは100億ドル以上の純資産を持つと主張するが、実際には10分の1以下。

――など、数々の知られざる事実が明らかになる!

世界を仰天させた米大統領選。その影響は小さな書店にどのような形で現れるのでしょうか?書籍検索サイト「Books」によると10月下旬までに国内で刊行されたトランプ氏の関連本は26冊にのぼるそうです。売れ行きに差はありますが、激震の第一波はこの本の動きによって観測されました。在庫残りの一冊を撮影。この直後に売り切れました。 

トランプ

トランプ

 

ラジオ番組でアメリカ在住のライターが「トランプ人気は、自分が思っていたモヤモヤ感を言葉に出して言ってくれたからだ」と分析していました。差別的な言動も含め、心に思っていても口に出せないことばを、自分に代わって代弁してくれる姿に共鳴する人が多かったのでしょう。仮想現実の中でならまだしも、選挙の結果は、いずれリアルな現実社会にツケとなって返ってきます。気になるのは対岸の出来事として済まされないことです。彼の手法をまねる政治家がわが国に現れないとは言い切れません。頭のいい「奇人」は密かに放言の研究を続けているに違いありません。

ドナルド・トランプの大放言

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