本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

「経済大国」日本の外交 - エネルギー資源外交の形成

ちょっと堅めの本です。コンスタントに出ています。

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「「経済大国」日本の外交 - エネルギー資源外交の形成 1967~1974年」白鳥潤一郎 著(千倉書房)

戦後処理を終え、高度成長と共に国際社会への復帰を進める日本を襲った石油危機。「経済大国」としての責任を求められることになった日本が展開した外交戦略の全容を描く。岐路に立たされた資源小国が選択した先進国間協調という外交戦略の実像。

一般書店に並んでいますが、この本は学位論文です。

koara.lib.keio.ac.jp

学位論文であっても、広く社会に認められた著作は読者の関心を呼び覚まします。放送局員の中には専門家レベルの知識を持つ放送局員がいます。

白鳥潤一郎氏の経歴は「静岡県生まれ。慶應義塾志木高等学校卒、2006年慶應義塾大学法学部政治学科卒、2013年同大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程修了」という記載があります。

論文は一般書店ではあまり見かけませんが、少なからずの需要はあります。賞を取ることによって内容が広く知られ、多くの人の目に留まることに意義があります。

放送は事実を伝える以上に、映像と音声を通じて人を伝えるメディアでもあるので、世の中にあまり知られていない人が見つかったら、その人を世に送り出すことが大切です。ですから、放送に携わる人にとって、こうした書籍は貴重な存在です。とりあえず目を通し、分からないことはその道の先達に聞き取るなどして、新たな人材を世に知らせようとします。そのためこうした本が買われて行くのです。

取材先の偉い先生に、読んでは見たものの中味は分からなかった著作の話をして喜ばれた経験は私にもあります。