本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

ミステリーベスト10(海外部門) 文春図書館

ミステリー海外編です。翻訳物は東京創元社の独壇場。SFティストが入るとハヤカワ書房も強さを発揮します。取次ルートからやや距離を置く国書刊行会は、書店にとっては気楽に発注依頼をかけにくい出版社なので、読みたい人は店頭で見かけたら則ゲットされたほうがよろしいかと存じます。

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週刊文春・文春図書館調べ

 

1「傷だらけのカミーユ」ピエール・ルメートル 著(文藝春秋

『その女アレックス』『悲しみのイレーヌ』のヴェルーヴェン警部シリーズ最終作。
『その女アレックス』に続き、イギリス推理作家協会インターナショナル・ダガー賞受賞!

カミーユ警部の恋人が強盗事件に巻き込まれ瀕死の重傷を。彼女を守るため警部は独断で犯人を追う。英国推理作家協会賞受賞作。

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)

 

 

2「クマと踊れ(上・下)」アンデシュ・ルースルンド (早川書房

ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品

凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセントの三人の兄弟。独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。
その目的とは、史上例のない銀行強盗計画を決行することだった――。連続する容赦無い襲撃。市警のブロンクス警部は、事件解決に

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

 
熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

3「ミスター・メルセデス(上・下)」スティーヴン・キング文藝春秋

車を暴走させて八人の命を奪って消えた殺人犯。いま退職刑事の元にそいつからの挑戦状が。異常殺人犯と不屈の男の対決がはじまる!

 

4「ザ・カルテル(上・下)」ドン・ウィンズロウ 著(KADOKAWA/角川書店

麻薬王ダンバレーラが脱獄した。30年にわたる血と暴力の果てにもぎとった静寂も束の間、身を潜めるDEA捜査官アート・ケラーの首には法外な賞金が賭けられた。玉座に返り咲いた麻薬王は、血なまぐさい抗争を続けるカルテルをまとめあげるべく動きはじめる。一方、アメリカもバレーラを徹底撲滅すべく精鋭部隊を送り込み、壮絶な闘いの幕が上がる―数奇な運命に導かれた2人の宿命の対決、再び。『犬の力』、待望の続篇。

ザ・カルテル (上) (角川文庫)

ザ・カルテル (上) (角川文庫)

 
ザ・カルテル (下) (角川文庫)

ザ・カルテル (下) (角川文庫)

 

 

5「拾った女」チャールズ・ウィルフォード 著(扶桑社)

サンフランシスコ、夜。小柄でブロンドの美しい女がカフェに入ってきた。コーヒーを飲んだあと、自分は文無しのうえハンドバッグをどこかでなくしたという。店で働くハリーは、ヘレンと名乗る酔いどれの女を連れ出し、街のホテルに泊まらせてやる。翌日、金を返しにやって来たヘレンと再会したハリーは、衝動的に仕事をやめヘレンと夜の街へ。そのまま同棲を始めた二人だったが、彼らの胸中に常につきまとっていたのは、死への抗いがたい誘いだった。巨匠初期の傑作、遂に登場!

拾った女 (扶桑社文庫)

拾った女 (扶桑社文庫)

 

 

6「煽動者」ジェフリー・ディーヴァー 著(文藝春秋) 

“人間嘘発見器”キャサリンダンス捜査官が「無実だ」と太鼓判を押した男が、実は麻薬組織の殺し屋だとする情報が入った。殺し屋を取り逃がしたとして、ダンスは麻薬組織合同捜査班から外され、民間のトラブルを担当する民事部に異動させられた。そこは拳銃の携帯も許されない窓際―彼女に割り当てられたのは満員のコンサート会場で観客がパニックを起こして将棋倒しとなり、多数の死傷者が出た一件だった。だが現場には不可解なことが多すぎた。観客は会場の外で焚かれた炎の煙で火事だと誤解し、殺到した非常口はトラックに塞がれていたのだ。この惨事は仕組まれたものではないか?人々を煽動し、死へと走らせる何者かがいる。独自の捜査を開始したダンスだったが、犯人はまたもや死の煽動工作を実行した!卑劣きわまりない愉快犯。そして麻薬組織の殺し屋をめぐる捜査。尋問の天才キャサリンダンスを二つの難題が追いつめる。二度読み必至、読者に背負い投げを食わせる好評シリーズ第四弾!

煽動者

煽動者

 

 

7「転落の街(上・下)」マイクル・コナリー 著(講談社

絞殺体に残った血痕。DNA再調査で浮上した容疑者は当時8歳の少年だった。ロス市警未解決事件班のボッシュは有名ホテルでの要人転落事件と並行して捜査を進めていくが、事態は思った以上にタフな展開を見せる。2つの難事件の深まる謎と闇!許されざる者をとことん追い詰めていく緊迫のミステリー!

 

8「黄昏の彼女たち(上・下)」サラ・ウォーターズ 著(東京創元社

第一次世界大戦で父と兄弟を喪い、母とふたりで生きていくため屋敷の部屋を貸すことにしたフランシス。下宿人になったのは、快活なレナードとおとなしいリリアンのバーバー夫妻だった。ひとつ屋根の下で暮らすうち、フランシスとリリアンには互いを想う感情が芽生えていく。そんな彼女たちの関係は、ある人物に死をもたらし、何人もの運命を思わぬ形で変えるのだった。時代に翻弄される女性たちを流麗に描く、傑作文芸ミステリ最新作。

 

9「宇宙探偵マグナス・リドルフ」ジャック・ヴァンス 著(国書刊行会

ある時は沈毅なる老哲学者、ある時は知謀に長けた数学者、しかしその実体は宙を駆けるトラブルシューター、その名もマグナス・リドルフ!魑魅魍魎の異星人たちを相手に、白髪白鬚の老紳士マグナスの超思考が炸裂する痛快無比な宇宙ミステリシリーズがついに登場。ミステリからファンタジー、秘境探検に海洋冒険、さらにはハードSFまで、ヴァンスのヴァラエティに富んだ世界が堪能できる連作全10篇収録。

宇宙探偵マグナス・リドルフ (ジャック・ヴァンス・トレジャリー)

宇宙探偵マグナス・リドルフ (ジャック・ヴァンス・トレジャリー)

 

 

10「その雪と血を」ジョー・ネスボ*1 著(早川書房

オーラヴ・ヨハンセンは殺し屋だ。今回の仕事は、不貞を働いているらしいボスの妻を始末すること。いつものように引き金をひくつもりだった。だが彼女の姿を見た瞬間、信じられないことが起こる。オーラヴは恋に落ちてしまったのだ……。雪降りしきる70年代のノルウェーを舞台に、世界で著作累計2800万部を突破した北欧ミステリの重鎮が描く、血と愛の物語。

 

*1:1960年ノルウェーオスロ生まれ。1997年に『ザ・バット 神話の殺人』でデビューし、同作で北欧ミステリの最高峰「ガラスの鍵」賞を受賞。世界的な人気を誇る北欧ミステリ作家