本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

コミック研究コーナー誕生

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漫画研究会の書架に並ぶような、硬派の漫画関連本を集めました。作品研究や作家のエッセイ、制作プロダクションの内輪話などファン垂涎のラインナップを目指すのだと書店員は語っています。

「貸本マンガと戦後の風景」高野慎三 著(論創社

貸本マンガから見える戦後社会と大衆文化。 

貸本マンガと戦後の風景

貸本マンガと戦後の風景

 

 

「やりすぎマンガ」南信長 著(KADOKAWA/角川書店

「ありえねー!」と思いながらもページをめくる手が止まらない。そんな過剰なエネルギーに満ちた『やりすぎ』な名作マンガの数々を、朝日新聞読書面コミック欄の長期連載などで知られる著者が熱く深く読み解きます。
名作傑作を、時にはタブーにも踏み込みつつ、徹底解読!! 有名漫画家がデビュー前に描いたチラシマンガを発掘し掲載するなど、図版総数は150点以上。
1970年代から2000年代までの有名漫画を網羅、『やりすぎ』マンガをとおして時代や世相までもが視えてくる、著者渾身(やりすぎ?)のマンガ社会論!!

やりすぎマンガ列伝

やりすぎマンガ列伝

 

 

「マンガの現在地! ―生態系から考える「新しい」マンガの形」浅野智哉、天野昌直、粟岳高弘、飯田一史、太田克史樹崎聖、木村仁、桐木憲一さそうあきら & 12 その他

かつて石ノ森章太郎が「萬画(まんが)は無限大の可能性を持つメディアである」と宣言したことを裏付けるかのように、マンガの想像力は私たちの文化の中心を築き、過去には考えられなかったような領域で、生き生きと根を張りはじめています。
これは別の見方をすれば、マンガ家を志す人にとっては「上京して、雑誌で連載して、単行本を売る」という従来的なスタイルでなくても、マンガを描いて生きていけるかもしれない、多様な方法論が生まれ得る時代だとも考えられないでしょうか。

大きな時代の変化のなかで、マンガという表現がどのような形をとりつつあるか。
業界で、そして新しい分野でマンガを支える人たちは、いま、何を考えているか。
本書は、歴史/テクノロジー/ビジネス/コミュニティという視点からマンガの「現在地」を収集し、今日のマンガの生態系の「見取り図」をつくる一冊です。

マンガの現在地! ―生態系から考える「新しい」マンガの形 (Next Creator Book)

マンガの現在地! ―生態系から考える「新しい」マンガの形 (Next Creator Book)

 

 

「マンガ研究13講」小山昌宏*1、玉川博章*2、小池隆太*3 編集(水声社

「マンガ」を論じる上で必要な基礎知識をテーマ別に紹介し、多角的な視点を提示する格好の入門書。「物語」「キャラクター」などを読み解く表現的な視点から、「観光」「ジェンダー」などの社会的な論点、そして「作家・編集者」や「同人誌」といったマンガ産業をとりまく環境までカバーする、最もアクチュアルかつ包括的な講義テキスト。

マンガ研究13講

マンガ研究13講

 

 

「マンガ熱: マンガ家の現場ではなにが起こっているのか」斎藤宣彦 著(筑摩書房)

マンガの面白さとは何か。ちばてつや大友克洋荒川弘田中相……ベテランから気鋭までがマンガの〈現場〉を語るインタビュー集。 

マンガ熱: マンガ家の現場ではなにが起こっているのか (単行本)
 

 

「60歳からの手ぶら人生」弘兼憲史 著(海竜社)

弘兼憲史、身辺整理始めました。「常識」という棚にしまったすべてのものを一度おろして、ひとつひとつ吟味してみませんか。そうすれば、きっとこれからの人生に必要なものと必要でないものが見えてくるはずです。

弘兼流 60歳からの手ぶら人生

弘兼流 60歳からの手ぶら人生

 

・「家族はひとつ」という幻想を捨てる
・定年後の男の価値はゼロ、奥さんからはそう思われている 

 

石ノ森章太郎論」山田夏樹*4 著(青弓社

天才と称揚される一方、1970年代以降の作品は「つまらなくなった」とも言われる一面的な評価をくつがえし、マンガという表現形式の多様性とその可能性を晩年まで追求した意義を再評価する。今日も上昇し続ける石ノ森作品のポテンシャルの高さを指し示す。 

石ノ森章太郎論

石ノ森章太郎論

 

 

「もう一つの「バルス」」木原浩勝 著(講談社

スタジオジブリ創立第1作にして会社の存亡がかかった『天空の城ラピュタ』。壮大なプロジェクトゆえ襲いかかる多くの難題に宮崎監督やスタッフたちはどう立ち向かったのか。のちに「伝説」と呼ばれた元ジブリ制作進行がこれまでほとんど語られることのなかった監督の素顔、制作過程、作品考察を交えて描く創作秘話。

もう一つの「バルス」 -宮崎駿と『天空の城ラピュタ』の時代-

もう一つの「バルス」 -宮崎駿と『天空の城ラピュタ』の時代-

 

 

「アメコミフロントライン」柳亨英 著(河出書房新社

2020年まで予定されているマーベル・コミックとDCコミックスのヒーロー大作映画プロジェクト。そのバックボーンと深遠なるアメコミの世界を豪華布陣で紐解く究極のアメコミ指南書。 

アメコミフロントライン

アメコミフロントライン

 

 

「「あしたのジョー」とその時代」森 彰英*5著(北辰堂出版)

 

『あしたのジョー』とその時代

『あしたのジョー』とその時代

 

 

掟上今日子の家計簿」西尾維新 著(講談社

眠るたび記憶がリセットされる名探偵・掟上今日子。引き受けた事件は即日解決の彼女のもとに、今日も悩める刑事からの難題が舞い込んだ。呼び出されたのはなぜか、事件現場ではなく遊園地。依頼は、ある事件の容疑者より速く、巨大な脱出ゲームをクリアすることで…?名探偵vs.容疑者の「最速」の脱出ゲーム、開幕! 

掟上今日子の家計簿

掟上今日子の家計簿

 

 

掟上今日子の旅行記」西尾維新 著(講談社

エッフェル塔をいただきに参上致します。―怪盗淑女」不穏な犯行予告を阻止するため、パリに招かれた忘却探偵の掟上今日子。しかし怪盗の真のたくらみは、今日子さん自身にエッフェル塔を盗みださせることで…!?奪われた記憶と華麗なる罠。助手役を担う隠館厄介は、怪盗の魔手から今日子さんを救えるか?名探偵vs.怪盗のタイムリミット・ミステリー! 

掟上今日子の旅行記

掟上今日子の旅行記

 

 

 

*1:1961年、東京都生まれ。情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科博士課程修了(情報社会学・メディア論・映像文化論)。現在、筑紫女学園大学教授

*2:1978年、千葉県生まれ。九州大学大学院比較社会文化学府博士課程単位取得退学(メディア論・文化研究)。現在、日本大学非常勤講師

*3:1971年、京都府生まれ。大阪大学大学院言語文化研究科博士課程単位取得退学(記号学・情報デザイン・サブカルチャー研究)。現在、山形県立米沢女子短期大学准教授

*4:1978年、東京都生まれ。法政大学文学部助教。専攻は日本近現代文学・文化。著書に『ロボットと〈日本〉』(立教大学出版会)、共著に『村上春樹と二十一世紀』(おうふう)、論文に「三島由紀夫鏡子の家」における現在性」(「文学・語学」第216号)など

*5:東京生まれ。フリージャーナリスト。東京都立大学(現首都大学東京)人文学部卒。光文社に入社、「週刊女性自身」の編集者を経て独立。数多くの雑誌、新聞の取材執筆に携わってきた