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本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

スーパーで買っていい食品 買ってはダメな食品

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「スーパーで買っていい食品 買ってはダメな食品 ―食の現場のホントのところがわかる本」河岸宏和*1 著(さくら舎) 

“食品のプロ"が明かす驚きの裏事情!

本書は食品を「作る・運ぶ・売る」現場の裏事情にくわしい“食品のプロ"が、本音で明かす食品の買い方。たとえば消費・賞味期限の表示を見て、新鮮なものを買ったつもりでも、じつはその食品はスーパーのバック
ヤードで再加工されて、新しい日付をつけ直されている。食品期限の表示はスーパーが適当に決めているのだ。多くの裏情報が満載! !

消費者の側に立って、食を巡る話題を掘り下げるのが放送局員の立ち位置です。食べ物の安全性は行政や業者といった「システム」によって担保されています。過去の事例が物語るように組織が相手の場合、消費者一人が安全性に異議をとなえることは不可能です。疑惑を発見し検証することで疑惑の全体像を探り当てる立場が必要になります。解決の道筋を探るお手伝いを担うのが放送を含めた報道機関全体の役割です。

しかし、報道機関は専門家ではありません。報道機関が動き出すために必要な、疑惑の芽を提供してくれるのが、先行してテーマを掘り下げる人たちの存在です。彼らが発信する情報に耳をそばだて、根拠を見極めるための裏付けを取りながら取材者たちはテーマに挑んで行きます。

本書は食品の品質管理を長らく経験した筆者の告発本です。賛否両論がネット上に掲載されていました。「藪の中」で描かれているように、ある視点から見える真実は、別の視点からは見えなかったり、見えていても虚偽としてとらえられる場合があります。金銭が絡んだ場合は関係者の口も開きにくくなります。

bossanovaday.hamazo.tv

声援を送る記事もあれば、根拠となる事実を一つ一つ検証して批判の論陣を展開する記事もあります。視点の数や論点の根拠となる事実が多ければ多いほど、疑惑解明に向けた議論は深まって行くといえます。

yu-tamura.hatenablog.com

個々の事例に重大な事実誤認がない場合でも、システムに重大な問題がないわけではありません。そのことは昨今の企業不祥事やコンプライアンス、ガバメントなどといった言葉のブームが物語っています。事実関係に誤りがない場合でも「行為を行う人間には間違いはつきものである」という視点が 欠かせません。

スーパーで買っていい食品 買ってはダメな食品 ―食の現場のホントのところがわかる本

スーパーで買っていい食品 買ってはダメな食品 ―食の現場のホントのところがわかる本

 

 

*1:帯広畜産大学卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハム・ソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビ二向け惣菜工場、卵加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。著書に『スーパーの裏側』など