本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

週間ベスト10

新書部門のランキングです。 

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丸善丸の内本店調べ(12月1日~7日)

 

1「世界観」佐藤優 著(小学館

本書はこの5年間に世界で発生した大事件に対して、作家・佐藤優氏が正面から思考した記録である。国際情勢分析は、同氏にとって外務省主任分析官時代からのライフワークである。インテリジェンスや地政学、宗教的知見から事象の「本質」を導き出すアプローチは、大陸から隔絶された島国で暮らす日本人が国際社会で生き抜く術でもある。 

世界観 (小学館新書)

世界観 (小学館新書)

 

 

2「銀行激変を読み解く」廉了 著(日本経済新聞出版社

本書は、マイナス金利政策、地銀再編、バーゼル3、フィンテックなど、いま一大変革期をむかえた銀行をめぐる変化の全体像をわかりやすく解説します。著者は、メガバンク出身で、長年、内外の金融制度や、銀行経営、金融市場に関与したり、ウォッチしてきたアナリストです。ドル調達コストの上昇、国債市場の流動性低下、欧州銀危機、中国バブルの影響など、影響が懸念される問題についても掘り下げて紹介します。国内外の情勢を押さえておきたい金融マンや、銀行業界を志望する就活生にとって必読書です。 

銀行激変を読み解く (日経文庫)

銀行激変を読み解く (日経文庫)

 

 

3「グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命」エマニュエル・トッド 著(朝日新聞出版)

トランプ・ショック、英国EU離脱、憎悪とテロの連鎖。どの国もうまくいかない歴史の大転換期を鮮やかに読み解く。グローバリズムが先進国の中間層を解体し、社会を分断する。民族の自律性と民主主義への懐疑が黒雲のように広がる。中東では国家の解体という最悪のプロセスが進行する。このおそるべきニヒリズムを乗り越えるには―。朝日新聞による日本向けインタビューを網羅。9・11以降の現代史の奔流が手に取るようにわかる!

 

4「応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱」呉座勇一 著(中央公論新社

室町幕府はなぜ自壊したのか―室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(一四六七~七七)。細川勝元山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか―。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

 

 

5「経済数学の直観的方法 確率・統計編」長沼伸一郎 著(講談社) 

高度に発展した経済数学の本質を70点に及ぶ図・グラフを中心に、直観的に理解していきます。本書では、「確率・統計編」として、「正規分布」のメカニズムを学び、「中心極限定理」の不思議に触れ、教養としての「ブラック・ショールズ理論」を身につけていきます。

経済数学の直観的方法 確率・統計編 (ブルーバックス)

経済数学の直観的方法 確率・統計編 (ブルーバックス)

 

 

6「老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路」野澤千絵 著(講談社

現在約800万戸の空き家が15年後には2100万戸を超える…3戸に1戸が空き家に!「再自然化」する空き家、スラム化する分譲マンション、漏水・破裂する水道管、不便な立地の「サ高住」住みやすい「まち」に必要なものとは?

老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書)

老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書)

 

 

7「人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長」吉川洋 著(中央公論新社

人口減少が進み、働き手が減っていく日本。財政赤字は拡大の一途をたどり、地方は「消滅」の危機にある。もはや衰退は不可避ではないか―。そんな思い込みに対し、長く人口問題と格闘してきた経済学は「否」と答える。経済成長の鍵を握るのはイノベーションであり、日本が世界有数の長寿国であることこそチャンスなのだ。日本に蔓延する「人口減少ペシミズム(悲観論)」を排し、日本経済の本当の課題に迫る。

 

8「修羅場の説明力」小野展克 著(PHP研究所

「戦闘力を備えたプロフェッショナルになるための必読書」ビジネスパーソンの日常は「説明」の連続だと言っても過言ではない。そして、説明一つで企業の命運、プロジェクトの浮沈、上司からの評価を決定づけてしまう場面も少なくない。では、修羅場で私たちは何を発言し、どう振る舞えばいいのだろうか。共同通信で日銀キャップ、経済部次長を歴任し、有事における経営トップ、企業人を取材した小野氏、産業再生機構、IGPIで企業の生き死にと向き合ってきた池田氏によるコミュニケーションスキルの決定版。 

修羅場の説明力 (PHPビジネス新書)

修羅場の説明力 (PHPビジネス新書)

 

 

9「40歳を過ぎたら、定時に帰りなさい」成毛眞 著(PHP研究所

 なぜ、著者は「会社で上司や部下とケンカをしたり、取引先に無理難題をいわれてため息をつくなど、息のムダ遣いである。風に吹かれる柳のように、ニコニコ笑っていればいい」と述べ、「クマムシのようなしぶとさ」を手本とせよと主張するのか。日本の成長を支えてきた「会社人間」「モーレツ社員」的な働き方・生き方が見直されつつある今、私たちはどう働き、どう生きるべきかを論じた一冊。『40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。』待望の新書版。

40歳を過ぎたら、定時に帰りなさい (PHPビジネス新書)

40歳を過ぎたら、定時に帰りなさい (PHPビジネス新書)

 

 

10「つながる脳科学 「心のしくみ」に迫る脳研究の最前線」理化学研究所 脳科学総合研究センター 著(講談社

ものごとを考え、記憶し、日々の出来事に感情を揺さぶられる…謎めいていた脳のはらたきが、明らかになりつつある。グリア細胞ニューロン、進化と可塑性、場所細胞と空間記憶、情動と消去学習、海馬と扁桃体とエングラムセオリー―頭の中には、さまざまな「つながり」があった!?9つの最新研究から、心を生み出す脳に迫る!