2016私の三冊
- 1「謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉」高野秀行 著(新潮社)
- 2「文明開化がやって来た―チョビ助とめぐる明治新聞挿絵」林丈二 *2 著(柏書房)
- 3「ジャズメン、ジャズを聴く」小川隆夫 著(シンコーミュージック)
1「謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉」高野秀行 著(新潮社)
辺境作家が目指した未知の大陸、それは納豆だった。タイやミャンマーの山中をさまよううちに「納豆とは何か」という謎にとりつかれ、研究所で菌の勉強にはげみ、中国に納豆の源流を求め、日本では東北から九州を駆けめぐる。縦横無尽な取材と試食の先に見えてきた、本来の姿とは? 知的好奇心あふれるノンフィクション。
納豆を食べる国の国際的な広がりを教えてくれる。
2「文明開化がやって来た―チョビ助とめぐる明治新聞挿絵」林丈二 *2 著(柏書房)
『マンホールのふた』の著者・林丈二が明治へタイムスリップ。開化の蓋を開いてみたら「日本のいま」も見えてきた。明治の新聞挿絵を“路上な目線”で観察する。
明治の新聞挿絵に風俗史を読み取った。舶来の暮らしぶりがどう広がっていったかがわかる。路上観察のまなざしを図像研究に生かした出色の仕事。
3「ジャズメン、ジャズを聴く」小川隆夫 著(シンコーミュージック)
ジャズ専門誌「スイングジャーナル」の人気企画だった“アイ・ラヴ・ジャズ・テスト”。多くの来日ジャズ・ミュージシャンが、他のプレイヤーの演奏を聴き、本音で論評し、また自らのジャズについても語った。古株のジャズメンの思い出話からは、ジャズ史に輝くジャイアンツの真の姿も浮かび上がる。ジャジーな傑作厳選42本!
提灯持ちめいた記事ではうかがえないプロの耳に聞き惚れる。