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本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

Yahoo! JAPAN全仕事

今日 登場した本。

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Yahoo! JAPAN全仕事 現場200人に聞く、過去→現在→未来」(実業之日本社

 本書はYahoo! JAPAN20周年を記念した、現場200人のインタビュー集である。
Yahoo! JAPANのサービスを支える人たちーー編集、企画、開発、デザイナー、
広報、法務、経理、人事、総務、経営陣、グループ会社……、
その人が発した言葉をできるかぎりそのまま収録した。
データや数字などではわからない、現場の人の率直な考え、苦労、挫折、
やる気、ビジョン、個性、技術、目標、夢などをまとめている。

私たちが何気なく見ているニュースや天気予報、なくてはならない検索、
ショッピングの商品数や安全なオークションなど、
Yahoo! JAPANのサービスの裏側には、本書に登場してきた人たちのみならず、
Yahoo! JAPANで働く人たちの苦労やひらめき、アイデアがあり、
「より便利に、より快適に」を日々追求している。

Yahoo! JAPAN全仕事 現場200人に聞く、過去→現在→未来

Yahoo! JAPAN全仕事 現場200人に聞く、過去→現在→未来

 

 

放送局員にとって、これから始める取材のための手がかりとなるような本です。

さながらビル建設現場などに入り込んで、配管や内装の工事など内側から見学するような本です。普通の会社なら総務部付きの古参社員が社史を編纂するような仕事ですが、急成長を遂げるIT業界は、今起きていることもあっという間に過去になる世界です。記録しておかないと組織も人も仕事すらも風化してしまうというのでしょう。ネットでは比較的保存や記録の蚊帳の外に置かれがちな肉声に光を当てている点がユニークです。晶文社から出ている名著「仕事(ワーキング)!」スタッズ・ターケル 著を連想するような本です。

自然体で語られている言葉の端端から、私たちが抱いているIT業界の肌触りがリアルに感じられます。外側から見ることができない世界を、内側で働く人々の群像の視点から見ることで、思いがけない発見もあります。

ただし、語られている事実はすべてではありません。当然編集の手が入った本ですので、企業側に都合にあわせて社員は発言に配慮するし、証言は編集されことは忘れてはなりません。広告会社における残業時間のようなナーバスな話題は避けられるでしょう。しかし発言の節々から感じられる"匂い"を辿ることで、人体のツボのような感触を掴むことは腕のある取材者なら可能です。内部を知るための貴重な資料本と言えそうです。 

仕事(ワーキング)!

仕事(ワーキング)!