ブルータス「危険な読書」で紹介された日常の歪みを垣間見る文学。写真家の橋本一子さんが選んだ「ノートリミングの世界」にこそ本当の面白さが潜んでいる本。
「チクタク食卓」高山なおみ*1 著(アノニマスタジオ)
料理家として活躍する高山なおみが自らの料理とひとことメモで蓄えた367日の食の記録。飾らない料理と日常が、本当に豊かな料理とは何かを教えてくれる。すぐに真似できるおかずのレシピ付。
写真もブレブレ。余分な部分をカットしていない。家の料理が結構ラフで、それが逆に安心する。
「すーちゃん」益田ミリ 著(幻冬舎)
30代独身。カフェ勤務のすーちゃんの日常をゆるーく、かつ鋭く描いた四コマ漫画。ナチュラルライフにあこがれて玄米食にしたり、恋愛攻略本を買ったり。同年代の女子なら共感せざるを得ない。アラサー女子葛藤の日々。
一番印象深かったセリフは「自分探しってなんだよ」「世界にたったひとりしかいない本物の自分を」「自分がさがしてどうすんの。」
すーちゃんは、このセリフを泣きながら言ってるんだけど、読んでて笑ってしまった。
「ECDIARY」 ECD 著(レディメイド・インターナショナル)
ECDというラッパーが100日間つけた日記をそのまま本にしたもの。テロからエロまで、世間の多くが口をつぐみがちな話題を真正面から考え、論じた魂の日記。文筆家としての才能を不動のものにした意欲作。