フィクション部門のランキングです。
丸善丸の内本店調べ(4月7日~13日)
- 1「言葉はこうして生き残った」河野通和 著(ミシマ社)
- 2「ランチパスポート神保町・御茶ノ水・水道橋・飯田橋 Vol.8 」 (Sweet Thick Omelet)
- 3「Y先生と競馬」坪松博之 著(本の雑誌社)
- 4「ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊」塩野七生 著(新潮社)
- 5「本屋、はじめました―新刊書店Title開業の記録」辻山良雄*1 著(苦楽堂)
- 6「唐獅子株式会社 (小林信彦コレクション)」小林信彦 著、江口寿史 画(フリースタイル)
- 7「音の糸」堀江敏幸*2 著(小学館)
- 8「仁義なき戦いの“真実"~美能幸三 遺した言葉」鈴木義昭 著(サイゾー)
- 9「メーゾン・ベルビウの猫」椿實*3 著(幻戯書房)
- 10「石原慎太郎への弔辞」佐高信 著(ベストブック)
1「言葉はこうして生き残った」河野通和 著(ミシマ社)
いつの時代も、光は言葉にある。
膨大な書籍群の中に飛び込み、6年半かけて発見しつづけた、次代へつなげたい知と魂!
中央公論社で約30年、その後、新潮社で6年あまり。
出版文化の本流のなかで、編集者として、錚々たる著者陣、先輩編集者、
デザイナー、文化人たちとの仕事と交流を重ねてきた著者が紐解く、「言葉」の近現代。
明治草創期に起こった出版という大河が、ここに!
「考える人」編集長メルマガ、待望の書籍化。膨大な書籍群の中に飛び込み、6年半かけて発見しつづけた、次代へつなげたい知と魂!!300超のメルマガから厳選した、必読の37本!!
2「ランチパスポート神保町・御茶ノ水・水道橋・飯田橋 Vol.8 」 (Sweet Thick Omelet)
ランチパスポート神保町・御茶ノ水・水道橋・ 飯田橋VOL.8 ([テキスト])
- 作者: 発行 DRCマーケティング
- 出版社/メーカー: Sweet Thick Omelet
- 発売日: 2017/01/11
- メディア: 単行本
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3「Y先生と競馬」坪松博之 著(本の雑誌社)
諸君、競馬を十年間続けるってのは大変なことなんだよ。
没後20年が過ぎてもなお、熱狂的なファンを持つ作家・山口瞳が、もっとも愛した趣味のひとつである競馬を、ともに賭けめぐった「直系」師弟の編集者が綴る評伝エッセイ。
「数年間にわたるこの競馬同行は私にとって、まさに緑鮮やか、ふかふかなターフの上を歩く、夢のような至福の日々でもありました」と記されるとおり、東京競馬場はもちろん各地の競馬場をともにし、競馬専門誌、スポーツ新聞、競馬新聞、パドックを読み解き、「地引き網」「底引き網」「ナンキンタマスダレ」といった独特の買い方を克明に活写。まるで山口瞳が生き返ったかのようで、一所懸命働く人は、一所懸命遊ぶ人でもありました。
そして、二人の間には、作家と編集者という関係を越え、互いが互いを思いやる親愛の師弟の情が結ばれる。
4「ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊」塩野七生 著(新潮社)
アテネに栄光をもたらした民主政の最大の敵は〝ポピュリズム〟だった――
国内の力を結集することで大国ペルシアを打破した民主政アテネ。不世出の指導者ペリクレスの手腕により、エーゲ海の盟主として君臨し、その栄光は絶頂をむかえた。しかし、デマゴーグが煽動するポピュリズムが台頭すると、アテネはスパルタとの不毛きわまる泥沼の戦争へと突き進んでしまうのだった――。なぜ、かつてできたことができなくなってしまうのか。なぜ、輝かしい栄光はまたたくまに霧散してしまったのか。民主主義の本質をえぐりだす歴史大作。
5「本屋、はじめました―新刊書店Title開業の記録」辻山良雄*1 著(苦楽堂)
「自分の店」をはじめるときに、大切なことはなんだろう?物件探し、店舗デザイン、カフェのメニュー、イベント、ウェブ、そして「棚づくり」の実際。事業計画書から、開店後の結果まですべて掲載。堀部篤史さん(誠光社店主)との特別対談を収録。
6「唐獅子株式会社 (小林信彦コレクション)」小林信彦 著、江口寿史 画(フリースタイル)
「スター・ウォーズ」から「源氏物語」まで──ギャグとナンセンスとパロディの一大狂宴!社内報の発刊、放送局、映画製作、音楽祭…… 大親分の思いつきで、今日も始まる新・任侠道。『唐獅子源氏物語』をも含む初の全作収録版!
7「音の糸」堀江敏幸*2 著(小学館)
静かに響きわたる、著者初の音楽エッセイ
小学生の時に友人の家で聴いたカラヤンのレコード、中学校の音楽室で耳を傾けたブラームス、日曜朝のFM放送、故郷でストーヴを焚きながら聴いた灯油の臭いのするカセットテープ、大学生になって、抽選で当たって訪れた“はずだった”、あるピアニストのコンサート……。
音の記憶の糸をたぐり寄せ、絡まった糸を一本ずつ解きほぐしていくと、そこには何が見えてきたのであろうか――。
《音の糸は音の意図。場合によっては神の意図にもなる。翻弄されるのはつねにこちらのほうであって、だからこそ音楽との一対一の関係に適度な緊張が生まれてくる。どんなに絡まり合っていても、それが音楽にまつわる身分証明である以上、むげに断ち切ることなど、いまもこれからもできはしないだろう》(本文より)
50篇で綴る、音楽と記憶の断片。
8「仁義なき戦いの“真実"~美能幸三 遺した言葉」鈴木義昭 著(サイゾー)
東映やくざ映画・実録路線の金子塔…傑作の元となる手記を表した男、美能幸三が語った“戦争”とは?
9「メーゾン・ベルビウの猫」椿實*3 著(幻戯書房)
焼け跡を生きる、博物学的精神とエロス。中井英夫・吉行淳之介の盟友であり、稲垣足穂・三島由紀夫・澁澤龍彦らの激賞を受けた幻の天才が、『椿實全作品』以降編んだ未収録の秀作群に、未発表の遺稿他を増補した中短篇作品集。没15年記念出版、初版1000部限定ナンバー入。
10「石原慎太郎への弔辞」佐高信 著(ベストブック)
この男の辞書に「責任」という文字はない。石原慎太郎の罪は大きく分けて三つある。一つ目は豊洲移転問題でも明らかになった責任転嫁の罪。二つ目は愚息かわいさから生まれた都政私物化の罪。三つ目は時代錯誤の排外主義タカ派の罪である。本書は、無責任の権化の石原への弔辞である。石原を持ち上げた者たちへの弔辞でもある。
*1:Title店主。1972年、神戸市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。97年、リブロ入社。大泉店、久留米店、福岡西新店を経て、広島店と名古屋店で店長を歴任。名古屋時代は街ぐるみの本のイベント「BOOKMARK NAGOYA」初代実行委員の一員を務める。2009年より池袋本店マネージャー。15年7月の同店閉店後退社。16年1月、東京・荻窪にTitleを開業
*3:1925年東京生まれ。47年、東京大学在学中に中井英夫、吉行淳之介らが創刊した第十四次「新思潮」に「メーゾン・ベルビウ地帯」を発表し、三島由紀夫、柴田錬三郎らの激賞を受ける。教員のかたわら小説執筆、神話研究を続け、82年『椿實全作品』を刊行。2002年3月28日、死去