5歳の時から、小学校にも通えず、血縁を養うために働き続けた高峰秀子。日本映画に名を刻む大女優が選んだ男は、名もなく貧しい青年だった。なぜ、女はこの男を選んだのか、この男の何を愛したのか―。映画監督・脚本家松山善三を、高峰はなぜ生涯の伴侶と定め、いかに愛したのか。ふたりの養女が夫婦の愛の深さを綴る。
「親兄弟、肉親という言葉を聞いただけで、裸足で逃げ出したくなる」2009年、女優・高峰秀子と脚本家・松山善三の養女になった著者の斎藤明美さんは、大女優が辿った過酷な過去を打ち明けられます。
好きでない職業に全力を尽くして頂点に立ち、文盲になってもおかしくない環境の中で博覧強記の人となり、26冊の著作を彼女は残した。
大女優と呼ばれることより、夫に美味しい食事を作ることを幸せと感じた人だった。
「血縁に苦しめられ続けた高峰の生き方が好きだった」と、支え合う夫婦の絆を描いた評伝です。
ある女優の生き方 斎藤 明美(Saito, Akemi) - WJWN(Washington Japanese Women's Network)