本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

はじめての海外文学・ビギナー編

「推薦文が熱い!はじめての海外文学」に思いのほか多くの反響が寄せられました。「ツイッターで見た」という方も多く、本記事はどうやらプロデュース元に注目していただけたようです。紙面を借りてお礼申し上げますとともに、海外文学・翻訳書にご興味ある方は公式アカウントをご覧ください。

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さて、紹介していて気になったのがチラシ紙面に出没するネコのキャラクターです。上記の「はじめての海外文学」さんのページにも登場しています。東京ガスのガスパッチョクマに似た、ほんわかした顔立ちのネコの飼い主はいったい誰なのでしょうか。

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ネコの名前は「でんすけ」というのだそうです。手書き文字でそう書いてあります。飼い主はセントポールプラザ書籍店・・・つまり書店にいるようです。書店員さんではないかと思われます。また セントポールといえば立教大学以外ありえない。

www.st-paulsplaza.com

立教大学構内で学生の福利厚生を担う組織が、でんすけの飼い主であることがわかりました。ホームページにはチラシとそっくりなフリーペーパーが掲載されていました。f:id:tanazashi:20170220170729j:plain

誰も呼びかけていないのに、「呼んだ」と、自分から名乗り出るお茶目なキャラクター「でんすけ」。名前の由来はさだかではありません。3年ほど前から掲載がはじまったフリーペーバーは書店が発行するミニコミ誌的な役割を果たしています。

ではなぜ海外文学にでんすけは情熱を傾けているのでしょうか。今回たまたま手したチラシは第二号でした。ビギナー編と称したもう一つのチラシがあって、なんと52人の翻訳者さんや大学の先生が海外文学を紹介していたことがわかりました。おそらく編集担当は名だたる人物に連絡をとり、それぞれから一冊の推薦図書を聞き取るという気の遠くなるような作業を積み重ねたのでしょう。それも無償で。なかなか骨が折れる仕事の熱血企画ですね。

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これだけの仕事を一人ですこなすのは大変です。発起人が切った口火を周りの人たちが徐々に広げここまで育てたものと思われます。好きでなければ続かない仕事です。

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www.kinokuniya.co.jp

名前が挙がった人たちの公式ページを見ると、翻訳に携わるエネルギーの強さを感じることができます。推薦図書からはじめて別の本に出会うのもちょっとスリルがあって楽しい探検のように思います。