19日(日)新宿ピカデリー3の11時の上映回がほぼ満員。依然衰えを見せない作品です。ストーリーに目を奪われた初回。謎ときや解釈を楽しんだ2回目。ストーリーを頭に入れて臨んだ3回目は、隅々に仕掛けられた余白を味わいながら楽みました。改めて「一粒で何度でもおいしい」作品であることを実感しました。
書店でこんな立ち話していたら、書店員は「それなら絵コンテが出ていたはず」と教えてくれました。「あちゃー。肝心なものを見落としていたア」と、すずさんの気持ちになりました。
「『この世界の片隅に』劇場アニメ絵コンテ集」。片渕須直監督による解説やインタビューも含め、全700ページに約1200カットが収められています。
注文したところ在庫はなく、客注画面を叩いていた書店員から「版元品切れ」という報告を受けました。もちろん流通中の在庫は取次にもありません。版元の双葉社まで直接電話をかけると、版元品切れだからといっても絶版になったわけではないことがわかりました。(アマゾンには値札がかかっています)
人気があると判断した出版社は重版をかける場合があります。さらに、配本された書店から返品されてくる本も相当数あります。汚れなどがあれば取り除き、カバーをかけ直して販売します。是が非でも手に入れたい場合は、「保留」という手続きを取って版元に戻ってきた本を”予約”するという方法もあるのだそうです。
アニメ作品といっても、ドキュメンタリーさながらに克明な取材や考証の上に成り立っている作品です。鑑賞用としても楽しめますが、放送局員にとってはコンテンツ制作をする上で技法を学べる参考書のような本です。制作者だけでなく、アニメ研究者にとっても貴重な資料です。店頭で見つけたら迷わず手に入れることをお奨めします。
アニメファンの方はこちらもよろしければどうぞ。
「ケトルvol37」
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