ランキングです。
- 1「騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編」村上春樹 著(新潮社)
- 2「騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編」村上春樹 著(新潮社)
- 3「神田神保町書肆街考: 世界遺産的“本の街”の誕生から現在まで」鹿島茂 著(筑摩書房)
- 4「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 著(講談社)
- 5「美しい街」尾形亀之助、松本竣介 著(夏葉社)
- 6「東京こだわりブックショップ地図 散歩の達人POCKET 」屋敷直子 著(交通新聞社)
- 7「生成不純文学」木下古栗 著(集英社)
- 8「Y先生と競馬」坪松博之 著(本の雑誌社)
- 9「甲賀三郎探偵小説選III」甲賀三郎 著(論創社)
- 10「文章読本X」小谷野敦 著(中央公論新社)
1「騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編」村上春樹 著(新潮社)
『1Q84』から7年――、待ちかねた書き下ろし本格長編
その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。
2「騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編」村上春樹 著(新潮社)
物語はここからどこに
進んでいこうとしているのか?
その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。
3「神田神保町書肆街考: 世界遺産的“本の街”の誕生から現在まで」鹿島茂 著(筑摩書房)
世界でも類例のない古書店街・神田神保町。その誕生から現在までの栄枯盛衰を、地理と歴史を縦横無尽に遊歩して鮮やかに描き出す。
4「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 著(講談社)
トヨタを上回る約5000億円もの経常利益を叩きだし、日本一儲けた会社だった野村證券。その黄金の日々を克明に描く。
厳しいノルマで次々と社員が辞めていくなか、飛び込み営業で新人トップの成績を上げ、「コミッション(手数料収入)亡者」とまで呼ばれるようになった著者。後に社長になる「小タブチ」こと田淵義久氏に抜擢され、第二事業法人部へ。待っていたのは個性派でアクの強い先輩たち。彼らとぶつかり合いながら、順調に出世していった著者は、役員の登竜門でもある新宿野村ビル支店長を最後に退社、独立する。
ところが、第二事業法人部時代に付き合いのあったオリンパスと仕事をするうち、巨額粉飾決算事件に巻き込まれ、刑事被告人に。「飛ばしの指南役」などと名指しされた著者が、激しくも懐かしい野村時代と人生を暗転させた事件のすべてを実名で書いた。
5「美しい街」尾形亀之助、松本竣介 著(夏葉社)
待望の選詩集。尾形亀之助(1900~1942)の全詩作から55編を精撰。
6「東京こだわりブックショップ地図 散歩の達人POCKET 」屋敷直子 著(交通新聞社)
本書は、月刊『散歩の達人』の連載で10年近くにわたりのべ150軒を超える東京近郊の書店を訪れ、店主にインタビューを重ねてきた著者による書店(ブックカフェ含む)ガイド。新刊古書問わず、個性的な書店(とその担い手)を紹介します。本屋さんが多い街のめぐり方、若手による書店プロジェクトの動向など、本好き・本屋さん好きのみならず、散歩好きの一般読者、さらには業界関係者にもぜひ読んでいただきたい1冊です。
7「生成不純文学」木下古栗 著(集英社)
デビューから12年を迎え、他の追随を許さない独自の作風がじわじわと浸透し、近年「フルクリスト」が増殖中。嵌った人は、二度とその世界感から抜け出すことが出来ない、古栗中毒に――。
OL物のAVが気になって仕事が手につかないロシア人宇宙飛行士。宇宙からその視線を首筋に感じる平凡なOLは、ある昼下がり、公園のベンチ裏からノートを見つける。そこには野糞を採取する男の記録が……。(虹色ノート」)。
ほか、「人間性の宝石 茂林健二郎」「泡沫の遺伝子」「生成不純文学」の四篇を収録。
8「Y先生と競馬」坪松博之 著(本の雑誌社)
諸君、競馬を十年間続けるってのは大変なことなんだよ。
没後20年が過ぎてもなお、熱狂的なファンを持つ作家・山口瞳が、もっとも愛した趣味のひとつである競馬を、ともに賭けめぐった「直系」師弟の編集者が綴る評伝エッセイ。
「数年間にわたるこの競馬同行は私にとって、まさに緑鮮やか、ふかふかなターフの上を歩く、夢のような至福の日々でもありました」と記されるとおり、東京競馬場はもちろん各地の競馬場をともにし、競馬専門誌、スポーツ新聞、競馬新聞、パドックを読み解き、「地引き網」「底引き網」「ナンキンタマスダレ」といった独特の買い方を克明に活写。まるで山口瞳が生き返ったかのようで、一所懸命働く人は、一所懸命遊ぶ人でもありました。
そして、二人の間には、作家と編集者という関係を越え、互いが互いを思いやる親愛の師弟の情が結ばれる。
9「甲賀三郎探偵小説選III」甲賀三郎 著(論創社)
甲賀三郎探偵小説選 3
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10「文章読本X」小谷野敦 著(中央公論新社)
過去の『文章読本』をとりあげ、その歴史的意義を再確認するとともに、文章を書くことの敷居がインターネットの普及によって歴史上もっとも低くなった現代における「うまい」文章、「美しい」文章、「よくわかる」文章とはなにかを考察する。
芥川賞候補になった著者が自戒をこめ、SNS時代の「文章の書き方」を実践的に指南する。
本書の編集者・山本啓子さんにはいくつか申し上げたいことがある。