19万部のヒットとなった「うつぬけ」は放送関係者の中でも話題となっています。
「うつヌケ」田中圭一 著(KADOKAWA)「ペンと箸」田中圭一 著(小学館)
著者自身のうつ病脱出体験をベースにうつ病からの脱出に成功した人たちをレポート。うつ病について実体験から知識を学べ、かつ悩みを分かち合い勇気付けられる、画期的なドキュメンタリーコミック!
うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち 【電子書籍限定 フルカラーバージョン】【電子書籍】[ 田中 圭一 ]
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田中圭一*1さんのファンというか読者は放送局内にかなり生息しているようで、何人かの知り合いから「うつヌケ」は"らしくない作品"だけれど面白いといわれました。ネットで読んでファンになったというので、サイトをたどるとリイド社のサイト「トーチweb」で読むことができます。
何人かの知り合いは、「お下劣サイテーパロディー漫画家」としての田中圭一さんの作品の大ファンなのですが、時間に追われる仕事柄「心の病」とその対策についても大きな関心を持っています。自分がそうでなくても同僚や部下に同じ心の病を持つ人がいないとも限らないので心配りが欠かせないのです。
「仕事の重圧や家庭の事情が引き金になることもあれば、日頃の生活に問題がないのにかかる人がいる」というのが心の病です。産業医の先生に聞くと「心の病はれっきとした病気です。場合によっては命に関わることもあります」と"患者"の接する方法を学びます。しかし、心の病にかかってふさぎ込む人に寄り添い、話を聞いたところで本当のところはなかなかわかりません。そんな"モヤモヤ感"の原因を、この作品でかなり理解することができました。
田中圭一さん自身、真っ暗なトンネルを抜け出たものの急な気分の落ち込みは今も続いているそうです。毎日の気分の変化の記録を見返すうちに、自分の場合、気温の急激な変化が引き金になると思い当たったといいます。知り合いは「田中さんのこの作品は直球のノンフィクションです」と評価しています。
19万部のヒットとなった「うつぬけ」は、当初KADOKAWAの電子雑誌で出版される計画でした。ところがその原稿料ではアシスタントも雇えないことがわかり、田中さんは奇策を巡らせたのだそうです。
二足のわらじを履いたとしても、読者にとっては面白い作品が読めればいいわけですから、出版側も知恵をめぐせらせて欲しいところです。
ほとんど同じタイミングで上梓された「ペンと箸」。
田中圭一の「ペンと箸」【電子書籍】[ 田中圭一 ]
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こちらも「下ネタ」は影を潜めています。中身は有名漫画家とその家族の物語。漫画家の好きな食べ物を題材に様々な親子の愛情を掘り起こしたエピソードが詰まっています。小学生の娘の宿題を引き受けて「すごい昇り龍の絵」を描いてしまった池上遼一さん。死の悲しみから娘を救った赤塚不二夫さんなど「いい話」が読めます。
手塚るみ子のサイン会をやったにも関わらず田中圭一の本と並べるという、かなり高度ないやがらせをする吉祥寺のバカ本屋(褒め言葉)BOOKSルーエ。いいぞもっとやれw #吉祥寺 pic.twitter.com/8VUXdHTBBq
— KURU_UMA (@kurumar) 2017年3月3日