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文芸誌「新潮」4月号 又吉直樹「劇場」効果で完売御礼

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又吉直樹の新作「劇場」が掲載された「新潮 4月号」が3月8日に発売されました。新潮社はかなり強気の姿勢で販売戦略をたてたようです。

芥川賞作家・又吉直樹さん(36)の小説第2作「劇場」を一挙掲載する「新潮」4月号の発行部数が、文芸誌としては極めて異例の「4万部」となりました。*1同誌の発行部数は通常は1万部前後ですが、2週間前に「又吉さん待望の第2作を掲載」と報じられて以来、書店や読者からの反響は大きく、平成以降では「過去最多」となる4万部の発行が決まりました。

読みはかなり正確だったようで、書店員によると配本された部数は即日完売となったそうです。作家さんの中には後が続かずそのまま忘れ去られていくケースが多いといわれる芥川・直木賞の世界。執筆の動向を気にしていた放送局員も多かったようです。 受賞後の第二作の単行本出版でもう一山当てたいと書店員はそろばんをはじいています。

*1:書店員が聞いた話によると印刷は計3万部で、うち1万部を初回配本したとのこと。業界内に伝わっているのは公式発表より1万部少ない数字です