本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

週間ベスト10

ランキングです。 

f:id:tanazashi:20160214112053j:plain

東京堂書店神田神保町店調べ(4月4日)

 

1「中動態の世界 意志と責任の考古学」國分功一郎 著(医学書院)

自傷患者は言った「切ったのか、切らされたのかわからない。気づいたら切れていた」。依存症当事者はため息をついた「世間の人とは喋っている言葉が違うのよね」
――当事者の切実な思いはなぜうまく語れないのか? 語る言葉がないのか? それ以前に、私たちの思考を条件付けている「文法」の問題なのか?
若き哲学者による《する》と《される》の外側の世界への旅はこうして始まった。ケア論に新たな地平を切り開く画期的論考。

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)

 

  

2「神田神保町書肆街考: 世界遺産的“本の街”の誕生から現在まで 」鹿島茂 著(筑摩書房

稀代の古書店街として世界に名をとどろかす「神田神保町」はいかにして出来上がったか。そこに蝟集した書店、出版社、取次、大学、語学学校、専門学校、予備校、映画館etc.さまざまな記憶と記録を縦横無尽に召喚し、日本近代を育んだ“特異点”の全貌を描き出す!

 

3「あの頃 - 単行本未収録エッセイ集」武田百合子武田花 著(中央公論新社

生前出版した作品集以外は、決して書籍にしないこと。そう言い残して亡くなった武田百合子。『富士日記』『犬が星見た』など、没後25年を過ぎてなお読者を魅了し続ける希有な随筆家・武田百合子の単行本未収録作品をこのたび初めて1冊にまとめる。編者は一人娘であり、写真家の武田花

 

4「関東戎夷焼煮袋」町田康 著(幻戯書房

故郷喪失の悲しみから、上方のソウルフード、うどん、ホルモン、お好き焼、土手焼、イカ焼を拵え、これを食すことで見えた宇宙。革命ではない。維新でもない。もちろん自由や平等でもない。愛などという眠たいものでもない―大坂の魂を取り戻す、ビルドゥングスロマン

関東戎夷焼煮袋

関東戎夷焼煮袋

 

 

5「百年の散歩」多和田葉子 著(新潮社)

わたしは今日もあの人を待っている、ベルリンの通りを歩きながら。都市は官能の遊園地、革命の練習台、孤独を食べるレストラン、言葉の作業場。世界中から人々が集まるベルリンの街を歩くと、経済の運河に流され、さまよい生きる人たちの物語が、かつて戦火に焼かれ国境に分断された土地の記憶が立ち上がる。「カント通り」「カール・マルクス通り」他、実在する10の通りからなる連作長編。

百年の散歩

百年の散歩

 

 

6「素敵な日本人 東野圭吾短編集」東野圭吾 著(光文社)

たとえば、毎日寝る前に一編。ゆっくり、読んでください。豊饒で多彩な短編ミステリーが、日常の倦怠をほぐします。意外性と機知に富み、四季折々の風物を織り込んだ、極上の九編。読書の愉楽を、存分にどうぞ。

素敵な日本人 東野圭吾短編集

素敵な日本人 東野圭吾短編集

 

 

 

7「夜の谷を行く」桐野夏生  著(文藝春秋

39年前、西田啓子はリンチ殺人の舞台となった連合赤軍の山岳ベースから脱走した。5年余の服役を経て、いまは一人で静かに過ごしている。だが、2011年、元連合赤軍最高幹部・永田洋子の死の知らせと共に、忘れてしまいたい過去が啓子に迫ってくる。元の仲間、昔の夫から連絡があり、姪に過去を告げねばならず、さらには連合赤軍を取材しているというジャーナリストが現れ―女たちの、連合赤軍の、真実が明かされる。

夜の谷を行く

夜の谷を行く

 

 

8「内面からの報告書」ポールオースター 著(新潮社)

外見は変わっても、君はまだかつての君なのだ――。心の地層を掘り起こして記す回想録。初めて書いた詩。父の小さな噓。憧れのスポーツ選手たち。心揺さぶられた映画。エジソンとホームズ。ユダヤ人であることとアメリカ人であること。学生運動の記憶。元妻リディア・デイヴィスへの熱い手紙――。現代米文学を代表する作家が、記憶をたぐり寄せ率直に綴った報告書。『冬の日誌』と対を成す、精神をめぐる回想録。

内面からの報告書

内面からの報告書

 

 

9「評伝 石牟礼道子: 渚に立つひと」 著(新潮社)

「戦後文学最大の傑作」(池澤夏樹)と激賞された『苦海浄土』。その作家の全容。『苦海浄土 わが水俣病』の発表以来、文学界でも反対闘争の場においても類なき存在でありつづける詩人にして作家・石牟礼道子。恵み豊かな海に育まれた幼年時代から、文学的彷徨、盟友・渡辺京二との出会い、闘争の日々、知識人と交流のたえない現在まで。知られざる創造の源泉と90年の豊饒を描き切る、初の本格評伝。

評伝 石牟礼道子: 渚に立つひと

評伝 石牟礼道子: 渚に立つひと

 

 

10「〈わたし〉と〈みんな〉の社会学 (大澤真幸THINKING「O」)」大澤真幸見田宗介 著(左右社)

未来も人生も先が見えない今、
社会学の二大知性が時代と真正面から向き合い考えます。
生命はどうなる?
資本主義はどうなる?
人類はどうなる?
そして〈わたし〉はどうなる?

〈わたし〉と〈みんな〉の社会学 (大澤真幸THINKING「O」)

〈わたし〉と〈みんな〉の社会学 (大澤真幸THINKING「O」)