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本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

日本テレビの「1秒戦略」

挑戦的な上から目線の帯です。豪語している局は誰だかすぐわかります。

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日本テレビの「1秒戦略」」岩崎達也 著(小学館

日本テレビの逆転劇の当事者だった著者は今、大学教授として商学部マーケティング論を教えています。今回の新書は、テレビ局の興亡の物語としてもとても面白いものですが、読みやすくて実践的なマーケティングの本としても役に立つと思います。

かなり長い間、テレビ番組は毎時0分を基準に開始時間が設定されていました。時計代わりにテレビを見る人たちに配慮してのことだと説明を受けた記憶があります。今も夜のニュースなど正時スタートを変えない番組もありますが、今や娯楽番組などを中心に正時スタートの方針を捨てた番組ばかりが並んでいます。

なぜ正時スタートが崩れ去ったのでしょう。頭のいい編制担当者は考えたはずです。例えばスタート時間を多局より1分繰り上げて放送を始めると、他局ではその時間はCMタイムです。当然視聴者はCMを見るより番組が見たいわけですので、お客が稼げるという理屈です。官僚的な「放送開始正時主義」者は当然反対したでしょう。しかし、視聴者のホンネを示す視聴率の前にはひとたまりもありませんでした。視聴者は神さまなのです。

そんな 時代を思い出した本が、今放送局の関係者の関心を集めています。敵を知り己を知れば百戦危うからずというわかりやすい本です。

日本テレビの「1秒戦略」 (小学館新書)

日本テレビの「1秒戦略」 (小学館新書)

 

オビに書かれたコピーは他局を仮想敵にしています。意図的に隠しているのかもしれませんが、本当の敵はネットです。勝算はあるのでしょうか。