本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

平和な時代の産物「四十七士大戦」

地域をディするコミックだとちょっと取り上げにくいなと考えていたら、意外な展開になっていることがわかり、考え直したコミックスがこの作品

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「四十七士大戦」一二三 著(泰文堂)

某コーヒーショップがようやく1店舗建っただけで県をあげて大騒ぎとなった、あの鳥取(注:他意はないですよ)が主人公となり、アクの強い他県たちを相手にバトルするシーンは必見!

宝島社の運営する5月の「このマンガがすごい!」おんな編ランキング6位に入りました。自虐マンガというジャンルがあるならば、魔夜峰央の「翔んで埼玉」が有名です。県民の触れられたくない部分に塩を擦り込むような表現が連発するところが似ています。

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本書の面白いところは、評価があらぬ方向から寄せられたことです。それは、散々な扱いを受けている鳥取県。県庁から発信される自治体サイトで"好意的に"取り上げられたのです。仰天した書店員は「番組ネタになるのでは」と読者の興味を先回りするかのように注文を検討しはじめたのです。

鳥取県が主人公の漫画『四十七大戦』の連載開始/報道提供資料/とりネット/鳥取県公式ホームページ

鳥取県が主人公に抜擢された理由

・「鳥取県は全国人口最少にもかかわらず、少子化対策に意欲的に取り組んでおり、また平井知事のパーソナリティにも興味をひかれ、鳥取県自体が逆境を跳ね返す漫画の主人公となるのが面白いのでは」と作者が閃いた。
 ・作者が地方消滅を救うヒーローを思いついたのは、増田寛也著『地方消滅』の影響とのこと。 

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公的機関のお墨付きでふるさとをディすれるところに平和な日本の良さを感じます。こんな平和な気分がいつまでも続くといいです。