本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

もっとヘンな論文 新登場

企画作りに悩む平均的な番組の制作者が頼りにするものの一つに最新の研究があります。研究の中身がわからなくても、権威ある賞をとったり、実用化が期待されたりと話題性があればとりあえず番組にすることができるからです。しかし、世の中に存在する研究は富士山のように頂点を支える裾野のように、広く大きく広がっています。山の麓にあるような論文を取り上げても誰も見てはくれまいと、手をつける人は見当たりません。

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世の中は広い。探せばあるものだ。と考えさせられたのが「ヘンな論文」サンキュータツオ 著(KADOKAWA)です。2015年に出版されたこの本の見所は、 

学術雑誌を読んでいると時々、思わず目を疑うようなタイトルの論文が載っているんです。たとえば『姫君の育て方』とか。タイトルから内容がまったく想像できない(笑)。こういう論文は他にもあるんじゃないかと気になりだしたのが、論文ハントの始まりです

と著者が語る新発見の面白さです。「ネタ」としか思えないようなテーマにまじめに立ち向かう研究者の存在は、人間の好奇心の広がりを改めて感じさせてくれます。

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その続編「もっとヘンな論文」 サンキュータツオ 著(KADOKAWA)がこのほど出版。新しもの好きの制作者の人気をさらいました。

はじめに
一本目  プロ野球選手と結婚する方法
二本目  「追いかけてくるもの」研究
三本目  徹底調査! 縄文時代の栗サイズ
四本目  かぐや姫のおじいさんは何歳か
番外編1 お色気論文大集合
五本目  大人が本気でカブトムシ観察
六本目  競艇場のユルさについて
七本目  前世の記憶をもつ子ども
番外編2 偉大な街の研究者
八本目  鍼灸はマンガにどれだけ出てくるか
九本目  花札図像学的考察
十本目 その1 「坊ちゃん」と瀬戸内航路
十本目 その2 「坊ちゃん」と瀬戸内航路 後日譚
あとがき 

トリビアに近い研究テーマにまじめに立ち向かう研究社には脱帽です。きっと気になって仕方が無くなった人たちなんでしょう。個人的には「鍼灸はマンガにどれだけ出てくるか」 とか「競艇場のユルさについて」なんてどーデモイイテーマに惹かれます。

そういえばEテレで放送されていた「ろんぶーん」は続編は制作されるのでしょうか。

もっとヘンな論文

もっとヘンな論文