本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

帰ってきた 日々ごはん③

今日の注文書です。

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「帰ってきた 日々ごはん③」高山なおみ*1著(アノニマ・スタジオ

本のイベントで読者の方と触れあい、夫との本作りに没頭し、「山の家」では思いきり自然とたわむれる。年下の友人たちに子どもが生まれ、テレビドラマの仕事で料理を担当し、3年ぶりに訪れた能古島でカレー150食を作った、めまぐるしい約1年半。晴れの日も雪の日も静かな雨の日も、季節を感じながら生き生きと綴られる、ごはんと日々の記録です。

移ろいゆく季節をながめながら、手に入った食材をながめ、献立をつくって食べて、ほっと風景を眺める。風が吹き、柔らかな雨が大地を濡らす。次に何をしようか、ぼんやり考えながら時間を過ごす。

こんな暮らしがしたいなあと思ったときに開くと、自分のやりたいことに出会えるような本です。8月10日の新刊本。http://www.anonima-studio.com/wp/wp-content/uploads/2015/11/66ac992db41477b5d84a5b94fcdef70b.jpg

出版したのは「ごはんとくらし」をテーマに本づくりをする出版社、アノニマ・スタジオ。いつもの日々が、どうしようもなく大切に思えてきます。

最終巻からずっと続いていた、2008年11月〜2012年9月の日記とアルバム、『おまけレシピ』の他、『スイセイ解説ごはん』を収載。

注文書は、読者が欲しいなと思った本です。書店員が売りたい本と、読者が買いたい本がずれてしまうことはよくあります。そんなとき立ち止まって注文書を見ながら何を揃えるべきか参考にするのだと書店員はいいます。

料理番組の担当者から「番組に登場していただく料理研究家や料理人の方々が書かれた本はレシピだけではありません。味わいのあるエッセイなども隠れていて、固定客がついています」と聞きました。

 

www.anonima-studio.com

 

*1:1958年静岡県生まれ。レストランのシェフを経て、料理家になる。におい、味わい、手ざわり、色、音……日々五感を開いて食材との対話を重ね、生み出されるシンプルで力強い料理は、作ること、食べることの楽しさを素直に思い出させてくれる。また、料理と同じく、からだの実感に裏打ちされた文章への評価も高い