本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

レビウス

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「レビウス」中田春彌 著(小学館

新生暦19世紀――戦後の帝都では、人体と機械を融合させて戦う「機関拳闘」という格闘技が行われていた。
戦争で父親を失い、母親も意識が戻らない状態となった孤独な少年、レビウス=クロムウェルは、彼を引きとった伯父ザックのもとで、機関拳闘の若き闘士として頭角を現し始める。
そんなある日、競技の最高峰であるGrade-1に挑戦する機会が、レビウスに訪れる。同級1位のヒューゴとの特別試合に勝つことが条件だったが、そのヒューゴが前哨戦の相手、A.J.という謎の選手との戦いで…!!
人間の尊厳と、文明の未来が火花を散らす、頂上バトル、ここに始まる。

バンドデシネ*1とは、フランス語圏(ベルギーなど)のマンガを指します。メビウスエンキ・ビラル、ニコラ・ド・クレシーなどが日本でもよく知られています。繊細な描線や計算された構図、独特な色彩など、西洋美術のエッセンスを詰め込んだバンドデシネは見る文学作品のようなものかもしれません。

『強き者。美しき者。その名は――レビウス』とはメビウスのオマージュなのでしょうか。

出版化を待っていたコアな読者も多いようです。放送局の中では安定して売れそうな感触の本です。 

 

*1:「bande dessinée」の名前は、「描かれた帯」という意味のフランス語に基づく。意訳すれば「続き漫画」