熊本主義者は先刻ご承知と思います。
私は記事で見てすごいなあと思いました。
熊本地震:3カ月 「橙書店」被災と復興の物語 文学の拠点、守りたい - 毎日新聞
熊本駅の繁華街に近い古びたビルの2階にあるのが
田尻久子さん(48)という女性が開いた小さな書店です。
「橙書店」という本屋です。
会社勤めをしていた田尻さんは2001年このビルに本屋を開こうと思い立ちました。
壁一面に並んだ棚に、およそ千冊の本が並びます。
小説やエッセイ、刺繍に写真集。それも
出版社から直接購入したものが大半というから驚きです。
一般書店は委託配本という仕組みがあるので、売れ残ったら返品する手があります。
買い取りではそうはいきません。売れなかったからといって返品できません。
大衆受けするベストセラーを並べればいいというのも危険です。
ですから店に並べる本の選書は確実にお客さんが買ってくれる本になります。
しばらく売れなくても、読みたい人がかならずいる本はあります。
「ジャンルにこだわらず、読んでほしい本を選ぶ」という田尻さんは
ほんとうに本がすきなひとなんだなあと思います。
さらにこの人は文芸誌の編集もはじめました。
著者は熊本ゆかりの文筆家から近所の奥さんたちまで幅広い。
書店で村上春樹さんを招いての朗読会まで開いてしまいました。
困ったのは今年発生した熊本地震でした。
店舗を移転して営業を再開したら、
震災直後に北海道から池澤夏樹さんも駆けつけたという筋金入りの書店。
やりたい放題。本屋の鏡です。
地域文化への貢献が道目られ、サントリー地域文化賞が贈られました。
こうした人が文化を支えているのだと感心しきりです。
熊本市中央区練兵町54 松田ビル2階